『魔女の宅急便』を生んだ作家・角野栄子さんの珠玉のエッセイ集

朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。

以前、カフェボンボンでご紹介した本が文庫化されました。『魔女の宅急便』を生んだ児童文学作家・角野栄子さんのエッセイ集。目に見えないけれど大切なことに気づかせてくれる一冊です。

11月には魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)がオープンしたばかりです。この機会に素敵なエッセイ集をぜひ。

「作家」と「魔女」の集まっちゃった思い出
著者:角野栄子
出版社:KADOKAWA

子どものときも、大人になってからも、ポケットの中は魔法の粉でいっぱい。魔女の目をもち、ファンタジックな物語をいくつも生み出した人。そんな角野栄子さんにとって、世界はたったひとつだけじゃない。目に見える世界と目に見えない世界、そのどちらもとても大切なものなのです。

5歳の時にお母さまを失くした角野さんは、子どもながらに目に見えない世界の力を知っていました。心が充たされないときには、「向こうの世界を想像して、遊びにいく楽しみを憶えた」のだそうです。見える世界と見えない世界がひとつになった場所に、いつもときめきを感じた角野さん。そこからいくつもの物語が生まれていきました。

子どもの時の懐かしい記憶、魔女にまつわる物語、外国への旅、若いころ移住したブラジルでの暮らし。本書につづられたさまざまなエピソードのなかに、もうひとつの世界が息づいているのを感じます。

それから、誰もが魔法を起こせるということも。娘さんがまだ幼いころ、寝坊をしているママのために一生懸命サラダを作ってくれた。大きなガラスのサラダボールのユニークすぎる中身に角野さんはびっくり仰天して……。

娘さんのサラダは可愛らしい小さな魔法。なんでもない日々のなかに、魔法の粉をかけてみたくなる。朝食のサラダにも、窓の向こうの景色にも、大好きな本のなかにも。今日という日がファンタジックに変わる気がします。

ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ

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