【阪神JF/追い切り診断】サフィラを上回る高評価 「高い完成度だった前走から、さらに上積みを追求」

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■コラソンビート

【中間調整】新馬戦は3着。しかし先着されたのがボンドガール、チェルヴィニアとこのレースにこそ参戦しないものの、世代トップ級と評される2頭だった。しかも前残りの流れを道中5番手から追った不利を考えれば、相当強い内容だったと言える。それを証明するようにその後は未勝利戦、ダリア賞、そして牡馬も相手だった重賞・京王杯2歳Sと3連勝。京王杯はレコードブレイクのオマケつきだった。

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反動はなかったことから阪神JFへの進出が決定。1週間ほどのミニ放牧を挟んで11月半ばに帰厩し、しばらくはプール調整で心肺機能の底上げを行ってから23日に坂路で初時計を出している。横山武騎手が騎乗した1週前のウッド併せ馬では、しっかり追われる先行2頭へ気迫十分に取り付いていき、結局手応え圧倒で1頭に先着、1頭と併入。1週前追いとして、理想的な動きを披露した。

【最終追い切り】レース当週は輸送とテンション面を考慮し、助手騎乗のウッド単走調整。まったくの馬なりながら序盤から小気味良く回転数を上げ、直線ではいい意味での遊びを感じさせつつ、滑らかに加速する。最後までブレの少ないフォームで駆け抜けたあたりに好感が持てた。

【見解】前走時で442キロと比較的華奢。その馬が2着馬3着馬と接戦のレコード勝ちを収めたとあって、反動がどうしても気になるシチュエーションではある。しかしミニ放牧、そして帰厩後の慎重な立ち上げで疲れはきっちり抜けたよう。気持ちが安定したタイプなのも変に力まず、回復が早いことの要因なのかもしれない。前走時で高い完成度だっただけに中間は手控えてもいいところだったが、1週前追いでしっかり出していく内容をこなし、さらに上積みを追求できたあたりも体調や脚元面の良好さを物語る。GIでも勝ち負けを意識できる状態。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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