【阪神JF/追い切り診断】人気のノーザンF生産馬に辛口「B」評価 「最終追いの動きは正直いまひとつ」

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■サフィラ

【中間調整】半姉にサラキア(府中牝馬S勝ち、有馬記念2着など)、全兄にサリオス(朝日杯FS勝ち、日本ダービー2着など)がいる超良血馬だ。デビュー戦は接触などがあり3着に終わったが、未勝利戦を圧勝。そこから中3週、東京遠征で挑んだアルテミスSはチェルヴィニアの決め手に屈したものの、自身もそつのない立ち回りから2着を確保した。

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賞金加算に成功したので、ひと息おいて阪神JFへ進出するのは予定通り。短期放牧から11月22日に栗東へ帰厩し、26日に坂路14-14を出したのが初時計だった。1週前のCW追いには松山騎手が騎乗。そこまで促していないのに、序盤から自然と速いラップを刻んで6F77秒9(一杯)という猛時計をマークした。ラストも止まっておらず、ポテンシャルの高さは疑いようがない。

【最終追い切り】レース当週の最終調整は坂路で単走。1週前に強い負荷を掛けており、この日は敢えて他馬で混雑する時間帯に追い、集中を確かめるような調整だった。意図した通り自分のリズムを保って脚を溜め、ラストでまずまずの加速を披露。ただし、なかなか捌きが硬いのか手応えほど脚が前に出なかったあたりは気になった。

【見解】脚力、センスはさすが良血馬を思わせるものがあり、1週前にCWで楽に猛時計を出せたのも頷けるところ。しかし兄サリオス以上に柔軟性に欠け、体の使い方にも若駒なりのぎこちなさがあるようだ。最終追いの坂路での動きは正直いまひとつ。人気になるのなら疑ってかかりたい。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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