【阪神JF/追い切り診断】想定“8人気”前後の穴馬に「A」の高評価 「前走をフロック視するのは禁物」

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■カルチャーデイ

【中間調整】夏の小倉開催最終日の芝1200m戦を勝利。稍重馬場だったにしても勝ち時計は平凡で、父ファインニードル×母父マイネルラヴというゴリゴリのスプリンター血統でもあることから、次走のファンタジーSは18頭立ての15番人気という評価に留まっていた。しかし実戦では出遅れを挽回し、好位で流れに乗ると他の先行勢が崩れるなか、しっかり踏ん張って先頭でゴールイン。3連単230万馬券という大波乱決着の立役者となった。激走の反動は見られず、レース翌週には阪神JFへの進出が決定。

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在厩で調整されており、11月19日に坂路15-15で流したのが中間の初時計。1週前にば酒井騎手が騎乗し、序盤は折り合いを重視し終いに負荷を掛けるメリハリを意識した坂路併せ馬を行った。古馬1勝クラス相手ではあったが、小柄さを感じさせない迫力で突き放し4馬身の先着を果たしている。

【最終追い切り】1週前の時点でほぼ仕上がっており、レース当週は酒井騎手との意思疎通をより深めるような内容。序盤はしっかり我慢してブレの少ないフォームで登坂。手綱を緩められたラストで機敏に手前を替え、馬なりを保って鋭く切れた。時間帯的に荒れていた馬場をモノともしなかった推進力に好感。

【見解】小柄で仕上げやすいタイプ。1週前まででほぼ“ハード面”は完成しており、最終追いで操縦性に磨きを掛けることができていた。小倉、京都での連勝で阪神の急坂がどうかという懸念はあるものの、坂路調教での力強さを見る限りこなして不思議はない。折り合い、反応面も激走した前走以上のレベルにあるし、マイルまでならなんとかなりそうだ。前走をフロック視するのは禁物かもしれない。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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