ザ・キラーズのブランドン・フラワーズ、最新ベスト盤について語る

Brandon Flowers - Photo: Harry Durrant/Getty Images

ザ・キラーズ(The Killers)のブランドン・フラワーズ(Brandon Flowers)がApple Music 1でゼイン・ロウと対談し、2023年12月8日にリリースされたバンドの20年のキャリアを網羅したベスト・アルバム『Rebel Diamonds』について語った。

このインタビューでブランドンは、「Mr. Brightside」のようなザ・キラーズの最も象徴的なヒット曲の数々とそれらの楽曲の歌詞の背後にあるストーリーやインスピレーション、ルー・リード、エルトン・ジョン、ブルース・スプリングスティーンといった彼のアイドルから学んだ重要な教訓、そして宗教についても言及している他、バンドのニュー・アルバムとアニバーサリー・ツアーについても予告している。

ブランドンはベスト・アルバムの意義についてこう語っている。

「面白いことに、僕を形成したいくつかのバンドとの出会いはベスト盤だったんだ。少し眉をひそめられるかもしれないけど、僕が初めてお金を出して買ったカセットはカーズのグレイテスト・ヒッツだった。グレイテスト・ヒッツは、バンドの入門編としては手軽でいい方法なんだよ。それに、あなた(ゼイン)が言及したように、初期の意図とは全く異なる旅をしてきたいくつかの楽曲にも光を当てることができる。新型コロナウイルスやその理由が何であれ、僕らが期待していたほどには光が当たらなかった曲もある」

また、彼は「Mr. Brightside」の制作についてこう明かしている。

「僕とデイヴ(・キューニング)は“Mr. Brightside”を書き上げた頃、まだバンドにはドラマーがいなかったんだ。それで僕たちがザ・キラーズのドラマーになろうとしているある男の家にいた時に、“こんな曲があって、このテンポなんだ”って彼に見せたのが“Mr. Brightside”だった。ビートに乗せて聴くのはその時が初めてだったんだ。何か熱を帯びていて、僕はベースで8分音符を押さえることくらいしかできなかったけど、僕はそれがすごく上手くできた。音楽に感動していた。その時から僕はずっと音楽に感動させられてきたけど、決して僕だけできなかったね。そして初めてこの曲を聴き、この曲を歌ってみたら身の毛のよだつような興奮を覚えて“これはワイルドだ。これは僕たちの歌だ”って思ったよ。一度その感覚を味わったら、引き返して他のことをするのは難しい」

ブランドン・フラワーズは、バンドが「Tranquilize」でコラボしたルー・リードから学んだ教訓についても語った。

「何年もかけて学んだこともある。B面シングルのためにルー・リードと共演した “Tranquilize”という曲があるんだけど、そのビデオを撮影しているときに素晴らしい瞬間があったんだ。みんなはロケ現場にいて、部屋には僕とルーだけだった。彼は普段着で来たんだけど、ビデオ撮影のためにレザー・パンツ、レザー・ブーツ、レザー・ジャケット姿に着替えていた。僕と彼が2人きりになった部屋には大きな鏡があって、彼はその鏡の中のサングラスをかけた自分自身の姿を指差して、“こんな男になりたかったよ”って言ったんだ。その瞬間、僕の世界は一変してしまった。ここにルー・リードがいて…ってね。僕はその時のことを自分だけの秘密にしたかったけど、その話はみんなにも聞かせるべきだと思っているんだ」

Written By Will Schube

© ユニバーサル ミュージック合同会社