G7水戸会合 茨城の魅力、世界に発信 各国要人おもてなし 太鼓や自慢のグルメ

歓迎レセプションで各国代表を握手で出迎える(左から)高橋靖水戸市長と大井川和彦知事、松村祥史国家公安委員長=水戸市千波町

水戸や茨城の魅力、発信の好機に-。茨城県水戸市で初めての先進7カ国(G7)の閣僚会合となる内務・安全担当相会合が8日、開幕した。各国要人が集まる会合は、茨城の伝統、文化や食を世界に発信する絶好の機会。歓迎レセプションでは、太鼓の演奏披露、ブランド食材や地酒の数々が振る舞われ、茨城の魅力を存分にアピールした。

歓迎レセプションが開かれた同市千波町のホテルに各国の閣僚らが姿を現したのは午後7時前。議長を務める松村祥史国家公安委員長と大井川和彦知事、高橋靖水戸市長が笑顔で出迎え、会場は和やかな雰囲気に包まれた。

レセプションの冒頭を飾ったのは、水戸藩の陣太鼓を基に作られた「水戸太鼓」。水戸太鼓保存会(橋本昭会長)の11人が息ぴったりの演奏を披露し、閣僚たちの喝采を浴びた。中太鼓担当の水城高3年、市毛真梨子さん(18)は「会合の成功を祈って打った」と胸を張った。

その後も書道パフォーマンスで出席者をおもてなし。県立小瀬高の生徒は生け花で会場を装飾し、地域と和の伝統文化を紹介した。

レセプションで提供された茨城ブランドの食は、銘柄牛「常陸牛」をはじめ、伊勢エビの新ブランド「常陸乃国いせ海老」、銘柄豚「常陸の輝き」、「常陸秋そば」など。水戸の地酒2種などさまざまな日本酒も提供された。

「常磐もの」で知られるヒラメですしを握った「鮨処 花ひろ」(ひたちなか市)の店主、畑高文さん(47)はヒラメの五枚おろしも実演。「平常心で臨んだ。印象に残る食を提供できたのでは」と手応えを感じた様子だった。

会合を通した水戸や茨城の魅力発信については、市民の期待も高まっている。

同市南町で一司堂印店を営む中村真一さん(68)は「外国の要人が水戸に来る機会はそうはない。知名度が上がるのでは」と話した。さらに「(7月開館の)市民会館が重要な役割を果たしている」と新たな街のシンボルを高く評価した。

会場向かいの百貨店を訪れた同市の60代女性は「国をまたいだ詐欺の対策に関心がある。(会合の)おもてなしで水戸らしさをどう表現するのか楽しみ」。同市常磐町、会社員、落合圭育さん(27)は「水戸や茨城が世界に発信できるいい機会」と話した。

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