脳細胞に寄生する謎のウィルスが人を「哲学(的)ゾンビ」に変える!?『物体 -妻が哲学ゾンビになった-』は研究職出身の監督による不条理ロマンス

『物体 -妻が哲学ゾンビになった-』 ©2023 金青黒 -sabikuro-

伊刀嘉紘監督による不条理ロマンス『物体 -妻が哲学ゾンビになった-』が本日、2023年12月9日(土)より劇場公開される。

いったい<哲学ゾンビ>とは何なのか? どのような症状が現れるのか? もし、自分にとって大事な人が“そうなってしまった”としたら……?

脳細胞に寄生する謎のウィルス

――脳細胞が謎の寄生体に置き換えられることによる認知障がいが発生し、徐々に「心を失う」奇病が蔓延している社会――

夫婦で不法投棄の不燃物を漁る悟と亜居は廃材からオーダーメイド玩具を作りながら、ふたり慎ましく暮らしていた。そんなある日、意図せず持ち帰った昆虫から未知の寄生体が妻の頭蓋内に侵入。脳を蚕食され、亜居は少しずつ壊れていく。

じわじわと感染を拡げつつあるこの奇妙な寄生体疾患において、感染者同士は属性を共有しあうという特性があった。そして亜居はあろうことか、連続殺人鬼の属性を継承してしまう。

感染から1ヶ月が経ち、すべての脳細胞が失われ自我意識を喪失した亜居は、完全なる<哲学ゾンビ>となった。改正脳死法に従い、人権を喪失し一種の危険生物と見なされた亜居に、「殺処分」の宣告が下されてしまい……。

大事な人が「ゾンビだから殺処分」と言われたら?

脳科学の分野において哲学「的」ゾンビという概念が実際にあり、それらは通常の人間と比べても外からは区別がつかないと定義される。

映画『物体 -妻が哲学ゾンビになった-』は、そのような<哲学ゾンビ>へと変貌していく妻を、周囲の無理解と不条理にさらされながらも支え続け、ともに暮らしていこうとする主人公の奮闘を描いた奇想天外アブサード(不条理)・ロマンスだ。

哲学ゾンビたちの進化を描く「物体シリーズ」第一弾

主演に、映画『ファミリア』や日曜劇場『VIVANT』に出演し、出演作『笑いのカイブツ』の公開が控える注目の俳優・管勇毅を迎え、<哲学ゾンビ>となり無機質な反射行動を繰り返すその妻・亜居を門田麻衣子が演じるほか、ミュージカル『東京リベンジャーズ』にて主人公・花垣武道を演じる竹中凌平、舞台『ハーヴェイ』映画『AIM』の藤崎卓也、『隣人X -疑惑の彼女-』『激怒』の川瀬陽太など、実力派俳優が脇を固める。

脚本・監督を務めたのは、米ミネアポリスにて研究員職に従事しながら個人映画の制作に携わり、『100匹目のサル』『笑う胃袋』『梅心中』『渦中のひと』など数多くの短編作品を海外で発表し、また近年は多数の医療啓発ドラマを手掛けてきた伊刀嘉紘。本作は伊刀の初長編監督作品にして、10年以上にわたり構想し続けた連続作品の第一弾である。

『物体 -妻が哲学ゾンビになった-』は2023年12月9日(土)より池袋 シネマ・ロサにて劇場公開

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