紙おむつとお尻拭き使い放題! さいたま市、4保育園で「定額制」実証実験 保護者、保育所双方の負担軽減も

園児ごとの箱に紙おむつを補充する保育士=埼玉県さいたま市中央区の市立大戸保育園

 埼玉県さいたま市は11月1日から12月28日まで「紙おむつ定額制サービス」の実証実験を市内の公立保育所4園で無料で実施している。申し込んだ保護者が定額の利用料を支払うことで、紙おむつとお尻拭きが使い放題になるサービスで、保護者や保育所の負担軽減が期待されている。

 中央区の市立大戸保育園では、0~2歳児のクラスで約9割の保護者が定額制サービスを利用している。保護者は毎日平均して5枚の記名した紙おむつを持参していたが、事業者から直接紙おむつが保育所に届くようになったため、持参の必要がなくなった。実際に導入した場合、紙おむつの種類にもよるが、利用料は月額約2300円~3200円となり、個人で購入するよりも1割程度割高になるという。

 同園に1歳の子どもを預けている吉浜正俊さん(38)は「紙おむつに名前を手書きする手間がなくなり、楽になった」。一方、0歳の子どももおり「2人分となると割高に感じるかもしれない」と話した。2歳の子どもを預けている遊馬結さん(29)は「残りのおむつの数を確認する手間が減った。割高になっても払う価値はある」と導入に対して前向きだった。

 利用する園児ごとに分けた棚に、職員が同じメーカーのおむつを補充する。保育士で1歳児クラスの担任松田彩乃さん(27)は「おむつ替えのための移動が減った」、2歳児クラスの担任伊藤聖(すみれ)さん(28)は「はき間違えが少なくなった」と話した。

 市保育課によると、定額制サービスは国内各地で導入されている。実証実験後に保護者にアンケートを取り、年明けに導入するかを決めるという。

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