マツコ・デラックスさんもうなった島味噌もやしそば、島で初醸造のクラフトビール・・・久米島フェアを味わってみた【12月2日~8日 タイムス+プラスのみどころ】

 師走の前半が終わろうとしています。が、暑い!! 汗ばむ陽気の中、那覇市のタイムスビルでは、久米島町の物産や芸能を集めた「沖縄タイムスふるさと元気応援企画」が8日に開幕し、10日まで催されています。今回のデジ編チョイスは、初日の会場からスタート。

 32回目を数える応援企画の中でも、トップクラスの人気を誇る久米島。多彩な商品が並んだ1階ロビーは、朝から多くの人でにぎわっていました。

久米島の特産品を買い求める来場者でにぎわう即売会場=2023年12月8日午前、那覇市・タイムスビル(金城健太撮影)

 ランチタイムに訪れると、たくさんの商品を手にした会社の先輩の姿が。久米島漁業協同組合のブースで買ったというマンビカー(シイラ)のフライ(500円)をお裾分けしてもらうと、肉厚で素朴な味わい。沖縄北部新テーマパーク「JUNGLIA(ジャングリア)」などの取材を担う編集局政経部の川野百合子記者も、豪快にほおばっていました。

マンビカーのフライをほおばる川野百合子記者

 行列の長さで目立っていたのは、TBSの人気番組「マツコの知らない世界」でマツコ・デラックスさんに味の太鼓判を押されたという「久米島そば処やん小~」のブース。根気強く並んで、島味噌もやしそば(1杯千円)をゲット。なるほど、久米島産モヤシがシャキシャキでみずみずしい!!!

「やん小~」の島味噌もやしそばを味わう来場者たち(金城健太撮影)

 300杯以上の沖縄そばを食べ歩き、沖縄タイムスが実施した「いちおしの沖縄そばアンケート」で解説を務めたさんぺい(本名・山城晋平)さんも、初日を逃さず訪れ、味わったそう。Xなど自身のSNSに「久しぶりに食べられて、感激」と投稿していました。

 ビール党の私の最大のお目当ては、島内では初生産というクラフトビールです。町職員から転身した島袋陽子さん(38)が営む「ブルワリーツムギ」が初出店中で、夕日をイメージした赤いビール「イリフィエール」(1本700円)や、久米島の完熟マンゴーを使った「マンゴーセゾン」を家飲み用に購入しましたよ。

 と思いきや、やっぱりその場でいただきました(勤務時間外)。コクが深かったり、フルーティーだったりと個性豊か。同僚が買ったビールとの飲み比べも、楽しかったです。島袋さんによると、飛ぶような売れ行き。「最終日は商品が空っぽの恐れが高いです」とうれしい悲鳴を上げていました。購入希望の方は、お急ぎください。

ブルワリーツムギのクラフトビールを車エビの素揚げとともに

 応援企画ではこのほか、プリプリの車エビや泡盛、久米島紬(つむぎ)やハブ革で作った小物などの販売をはじめ、島の小中高生が出演する現代版組踊「ガサシワカチャラ」公演(9日午後4時半、10日午後1時開演)があります。公演は当日券も販売しています。

 沖縄本島から西方に約100キロ、飛行機で約30分。この機会に、たくさんの方々に久米島の魅力を感じてもらい、島へ直接足を運ぶきっかけになればいいなと願っています。

素朴な風合いの久米島紬は憧れの的

JAL初のCA出身支社長はウチナーンチュ

 続いては、沖縄県出身のかっこいい女性の話。その人は、日本航空(JAL)のキャビンアテンダント(CA、客室乗務員)からは初となる支社長に就いた崎原淳子さん(59)です。

CA時代には世界中を飛び回った崎原淳子さん。立場は変われど今も忙しく駆け巡る日々だ=2023年9月、名古屋市のJAL中部支社

 CAといえば、昔も今も子どもたちがあこがれる職業の常連でしょう。崎原さんも沖縄がまだ米軍統治下にあった小学1年生の時、那覇ー東京の「国際線」に乗った際に一目ぼれ。入社試験で一度、不採用になっても諦めず、見事に夢をつかみ取りました。 

 客室部門一筋35年のキャリアを積み重ね、千人以上のCAを養成。現在は、名古屋市にある中部支社の支社長として、地域の名産品の開発や、外部の企業向けにCAの接客ノウハウを生かした研修を開くなどしているそうです。

 新型コロナウイルス禍で2021年3月期の連結最終赤字が2800億円を超えたJAL。崎原さんの配置転換は現社長の大規模な人事改革の反映でもあり、JALの模索や、置かれた立場で最善を尽くす崎原さんの軌跡が垣間見えます。

 将来的には故郷・沖縄への「恩返し」を思い描いているという崎原さんに、これからも注目。取材・執筆は、フリーランス記者の伏見学さんが手がけました。

訪問看護、障がい者就労支援事業で不正受給か

 最後は、11月末に出た初報から今週にかけて、よく読まれた記事。「一般社団法人みらい」(中城村)グループの事業で、数々の不正が指摘されているニュースです。

 疑いがあるのは、自宅訪問しない「訪問看護」で診療報酬1千万円以上を受給したこと。もう一点は障がい者に雇用機会を提供する就労継続支援B型事業で、来所していない利用者を来たことにして中城村に水増し請求し、給付金を受け取っていたことです。

www.okinawatimes.co.jp 

 本紙の阿部岳、比嘉海人両記者の取材に、法人の理事長は訪問看護事業で疑惑の一部を認める一方、就労継続支援事業については否定。自ら開いた記者会見の場で、新たな不適切事項も明らかになりました。

 グループは東北やベトナムにも進出して規模を急拡大。「福祉はちゃんとやればやるほど、団体や行政にいじめられる」。理事長はそんな持論を展開していますが、まずは自らの不正をただすことが最優先、ではないでしょうか。

 それでは今回はこの辺で。デジタル編集部の新垣綾子がお届けしました。

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