神立病院 27年度移転 産科の新設も目指す 茨城・かすみがうら市と協定

神立病院移転について協定を交わしたかすみがうら市の宮嶋謙市長(左)と医療法人青洲会の平塚圭介理事長=同市役所

茨城県かすみがうら市稲吉南2丁目の市有地に病院誘致を図っていた同市は8日、神立病院(同県土浦市)を運営する医療法人社団青洲会(平塚圭介理事長)と、同病院の移転建設や運営に関する基本協定を結んだ。敷地はJR神立駅近くの約2ヘクタールで、市が年約1900万円で貸し出す予定。開院の目標は2027年度で、将来的に産科の新設を目指す。

市は、同駅近くを地域発展につながるエリアと位置付け、病院の誘致により「安心して産み育てられるまち」の形成を進める。

市政策経営課によると、病院は内科、外科、整形外科など現在の診療科と病床160床、1次救急機能などを引き継ぐ。加えて災害や新感染症が発生した際の協力関係を市と構築する。産科は医師などの確保が実現次第、開設する方針。

同病院は1984年に開院。施設の老朽化が進み、青洲会がかすみがうら市に移転について相談していた。新病院の建設費などは未定。

この日、市役所で協定締結式が開かれ、宮嶋謙市長は「市内初の大型病院の進出が決定し、うれしく思う」と語った。県に支援を求めるなどして建設や運営を後押しする考えを示した。平塚理事長は「ようやくスタートして非常にうれしい。地域医療をどれだけ充実できるかが課題。責任を重く感じている」と話した。

市は2022年6月、神立駅から西約700メートルの土浦市との境界にある民間企業の社宅跡地約2.8ヘクタールを約10億円で購入。同7月に就任した宮嶋市長は、前市長時代に同所で計画されていた「複合交流拠点施設」の建設計画を見直し、今年5月に同会と覚書を交わして移転に向けた協議を進めていた。

病院進出後に残る市有地約0.8ヘクタールについても、病院との相乗効果が期待できる民間企業などの誘致を模索するとしている。

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