CEC日記 【京都】妙心寺でお祝いの儀

妙心寺「春光院」で行われた仏前式

今回の主役は、モザンビーク在住のカップル。ポルトガルやアメリカからのゲストを招いて妙心寺春光院で仏前式を執り行い、妙心寺派長慶院でお披露目会を行ったおふたりのお披露目式をプロデュースさせていただきました。

日本では一般的に挙式はホテルや式場、教会や神社などで行うセレモニーを思い浮かべると思いますが、実はお寺で行う仏前式というものがあります。

仏前式の歴史と形式

仏前式とは仏教形式の結婚式です。明治時代に確立され、仏の前で来世までの結びつきを誓う式。祖先にこれから共に歩む人の報告をして仏に感謝するという形式になっています。あのスティーブ・ジョブズも仏前式で挙式したのだとか。

春光院は天正18年(西暦1590年)に創建され、現在の住職は英語が堪能であり、すべて日英で行ってくださりました。海外からのゲストに今回のセレモニー全体を通した印象を聞いたところ、住職のお説教がもっとも印象に残っていると答えてくれた方もいます。

春光院住職・川上全龍氏

海外からのゲスト

お披露目会

仏前式後は、妙心寺の中にある長慶院に移り、お披露目会を行いました。慶長五年(西暦1600年)創建された長慶院の住職に、お寺の歴史をお話頂き、メインの食事は、「矢尾治」という明治元年創業、各宗派御本山御用達、仕出し専門の精進料理屋さんの伝統的な精進料理をご用意しました。精進料理といっても、とっても華やかな美しいお食事。ゲストの皆さんもそのおいしさに感動されていました。

八尾治さんの精進料理のお献立

お食事後には、住職が淹れてくださったお抹茶がふるまわれました。目の前で住職が立てるお抹茶も格別なものでした。

抹茶は柳桜園の雅の白 お抹茶は養徳院さま、桂春院さまによるお振る舞い

お菓子は本家玉壽軒の高雄の色

雅楽

お披露目会のフィナーレは、雅楽の演奏会。雅楽の代表曲ともいわれる「越天楽」の演奏は、スタッフも全員今しかないこの瞬間を共に共有させていただいたのですが、このような思い出として残るときを創造することに感動を覚えた瞬間でした。ゲストの中には涙を流す方もいました。今では日本の伝統的な文化として認知されている雅楽ですが、ルーツは中国や朝鮮半島から日本に伝わってきたものだそうです。中国と朝鮮半島ではすでに雅楽は衰退し消滅しており、その結果日本にしかないものとなり、日本の伝統文化となった歴史があるそうです。

今回は、仏前式の歴史や形式、披露宴について紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。このように愛を祝福する形があることを知っていただければ嬉しいです。

みなさんの人生が素敵な体験でいっぱいになりますように。

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