特製ほうきで払い清め…加須・總願寺で「おすす取り」 秘仏・不動明王像のお開帳も 新年準備も本格化

不動堂の天井や軒下部分の埃を特製ほうきで払い清める檀信徒=8日午前10時ごろ、埼玉県加須市不動岡の不動ケ岡不動尊總願寺

 関東三大不動の一つ埼玉県加須市不動岡の不動ケ岡不動尊總願寺で8日、1年間の埃(ほこり)を払い清める大掃除のおすす取りと、秘仏の本尊・不動明王像の年に1度のお開帳が行われた。

 おすす取りは、寺の年末恒例行事。朝から地元の檀信徒が集まり、不動堂の床を掃いたり、柱や床、仏具類を磨いたりした。不動堂の天井や軒下部分は、竹の先に笹を取り付けた長さ3~4メートルの特製ほうきを使って埃やちりを払い清めた。

 午前11時ごろには不動堂で護摩がたかれ、厨子(ずし)の扉が開かれ、不動明王像が1年ぶりに姿を現した。5分間ほどのお開帳に多くの人が参拝した。不動明王像の煤(すす)や埃が払い清められると、扉は再び固く閉ざされた。

 山口真司住職(66)は「12月8日はお釈迦(しゃか)様が悟りを開いた日。寺では、この日をおすす取りと不動明王像のお開帳の日にしている。心を落ち着かせて毎日を送り、新しい年も楽しく過ごしてほしいと願っている」と話した。おすす取りとお開帳が終わると、新年を迎える寺の準備が本格的に始まる。

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