フグの刺身
今が旬の「フグ」と言えば、特別な日に食べたいごちそうグルメ。愛知県では知多半島の先端にある南知多町で多く水揚げされています。中でも有数の漁獲量を誇るのが、愛知の離島の1つ「日間賀島」です。
フグ漁のあとの絶品ご褒美
漁師「格別においしい」
そんな日間賀島の漁師は、フグ漁のあとに激うまご飯を食べているとのこと。漁の準備をしている漁師に話を聞くと「格別においしい」「寒い中頑張ってきたもんで余計うまい」と皆さん口々にそのおいしさについて語ります。
早朝3時半、渥美半島を回って遠州灘へ
今回は特別な許可を得て、日間賀島の漁師を取りまとめる北川林さんと、息子・琳都さん親子のフグ漁に同行。早朝3時半、渥美半島を回って遠州灘へと向かいます。
朝日の美しい光景を横目にフグ漁を開始
1時間半ほどかけて、長さ4キロメートルの仕掛けを落とす
1時間半ほどかけて到着した漁場に到着すると、そこに広がっていたのは水平線の向こうから朝日が昇る美しい光景。しかし、漁師にとっては生活のかかった正念場です。父・林さんの合図で息子の琳都さんが真剣な表情に。日の出に合わせて、エサとなるイワシをつけた仕掛けを海へ投入していきます。
サバフグとトラフグの違い
750匹のイワシを針にかけ、海に流せば仕掛けは完了です。仕掛けを巻き上げると、次々と大きなフグが揚がってきました。
しかしこの日揚がってきたのは北川さん親子が狙うトラフグではなく、サバフグ(キンツ)ばかり。味はさっぱりとしておいしいものの、市場価格はトラフグに比べて10分の1程度。漁師たちにとってはうれしくない展開です。
目当てのトラフグが登場
約2.5キログラム、小売価格なら2~3万円程度
緊迫したムードが漂う中、黙々と仕掛けを引き上げする北川さん親子。すると、しばらくしてようやく1匹目のトラフグが姿を現しました! さらには、タモで引き上げないと揚がらないほどの大物トラフグも登場。約2.5キログラム、小売価格なら2~3万円ほどになるというビッグなトラフグに、北川さん親子もほっとひと息です。
いけすが満杯に
その後も次々とトラフグが揚がり続け、気づけば55匹もゲット! 船のいけすもトラフグで満杯になりました。すぐさま船を走らせて片名港の魚市場へと運び、生きたまま競りにかけられます。漁の間は真剣な眼差しで海を見つめていた北川さんも「まぁまぁ、思っとったぐらいの単価かな」と満足げな表情を浮かべます。
そして漁が終わった後に待っていたのが待望の「打ち上げ漁師めし」。北川さんご一家も漁師仲間とともに1日の仕事をねぎらいます。
天然トラフグの刺身に、から揚げまで!
数枚のフグの刺身を豪快に頬張る
この日のメインは知り合いの旅館に作ってもらったという愛知県の天然トラフグの刺身「てっさ」。これを1枚ずつではなく、豪快に何枚もすくいとって頬張れば、コリッコリの身から天然トラフグならではの甘みが口いっぱいに広がります。一般的なお店なら、ひとすくい3000円だとか!
トラフグのから揚げ
「てっさ」以外にも、漁師ならではの絶品めしが続々と登場。漁師一番のおすすめという「トラフグのから揚げ」は、引き締まった身からうまみがあふれだす逸品です。体を使う漁師は、刺身よりも濃い味のから揚げが好きな人が多いそうです。
トラフグ鍋
漁が終わったあとの定番「サバフグの煮つけ」は、トラフグの身だけでなく、煮汁をご飯にかけて食べればフグのうまみを余すことなく堪能できます。
フグ漁で有名な日間賀島には、漁師の疲れを癒す絶品「打ち上げメシ」であふれていました。