「もしかして放置されている?」と不安になったときに考えたいこと

恋人がいて、付き合う前は毎日でもLINEや電話で連絡を取り合っていたのに、いざ交際が始まってしばらく経つとその頻度が減ってしまい、「もしかして放置されている?」と不安になることがありますよね。

男女関係なく、心の距離が近くなったことで安心し、「だから前のように連絡をしなくても大丈夫」と考える人はいます。

相手のやり方が「落ち着いている状態」なのか「ただの放置」なのか、どんなところで見極めればいいのでしょうか。

「自分に関心を持ってほしい」から連絡する

ふたりの関係にはっきりとした「恋人」という名前がついていないときは、相手の気持ちがどうなのか確かめたい気持ちが強くて、自分から積極的にLINEでメッセージを送るし相手からの接触も心待ちにしますよね。

自分に関心を持ってほしい、相手の気持ちを知りたいと思うから連絡をするのであって、前向きなコミュニケーションが重なって互いに好意が育ち、交際に発展します。

ふたりの関係が「恋人」になると、相手からの好意が確定になるためそれまでのように関心を引っ張るようなやり取りはしなくてもいいので、ここで「落ち着く」という人がいます。

付き合う前のように、LINEの返信が数時間遅れただけで「何か悪いことを書いただろうか」「何をしているのだろうか」と不安を生む種が消えるのですね。

代わりに手にするのは「いずれ返事をくれるだろう」という信頼であり、相手の気持ちを信じるからこそ「焦らない」「慌てない」自分を受け止めます。

これが、人によっては「放置されている」と映り、付き合う前より好意や関心が減ってしまった、と思うのですね。

以前と変わらず自分は毎日お昼休みにLINEで話しかけるのに、恋人からの返事が休み時間が終わるギリギリになったり既読スルーのままだったり、「相手だけが変わった」状態は、交際が始まる前よりつらいと感じる人もいるでしょう。

関係が安定してから相手への関わりが減ることを「釣った魚に餌をやらない」とよく言いますが、「落ち着いているから連絡をしない」と「ただの放置」は明確に違っていて、相手はどうなのか、しっかりと見極めるのが自分のためといえます。

「落ち着いているから連絡をしない」人の特徴とは

心の距離が近くなったことで安心し、関係に焦らなくなり「落ち着いている」状態だと、離れているときも相手の気持ちに不安を覚えません。

LINEの返事が遅れても電話にすぐ出なくても、「そのうち返してくれるだろう」と思ってそのまま置けるのは、「次」があると信じられるからです。

付き合う前は、「次にまた話せる」という確証がありませんよね。だから自分からその機会を作ろうとするし相手からの接触に期待しますが、恋人関係になるとこれがいい意味で当たり前になります。

「落ち着いているから連絡をしない」人の特徴は、むやみに自分の存在をねじ込もうとはしなくなる点です。

自分以外の誰かが好きな人と近かったら、「そっちに好意を向けられるかもしれない焦り」から自分との時間を持ってもらおうとしますが、恋人関係では自分以外の誰かはもういない、と相手のことを信じているからあえて連絡をしなくても不安になりません。

「次がある」と思えるのは相手の姿や様子を見て自分への愛情を確かに感じられるから、そして「自分も等しく相手に好意を向けてもいい」という安心感が、離れていても心の距離を失わない落ち着きになります。

「次がある」と信じているから連絡が減る、の状態がわからないと、「放置されている自分」ばかり受け取ってしまい、恋人の愛情を疑います。

不安になったときに思い出したいのは、恋人の「次の接触」です。

昼休みが終わるギリギリになって「午後もがんばろうね」とだけ返信が来て寂しかったけれど、夕方には恋人のほうから「今日もお疲れさま」とメッセージが来る、そこからまたいつものような会話ができるなら、それは「放置」ではなく信頼の証と筆者は思います。

「ただの放置」には「次」がない

一方で、恋人関係になったのはいいけれど相手に愛情を持っていない人の場合は、「次もそのまま」が見えます。

そっけない返事が来てその次もこちらから連絡をしないと接触がない、「今日もお疲れさま」と送ってもやっぱり「疲れた」だけで愛情を確認する言葉がなかったり既読スルーが続いたり、愛情で結ばれた関係を維持しようとする気が伝わりません。

「忙しくて返事ができなくて」と言い訳はするけれど、寂しかったこちらの気持ちをそのままにして自分の都合ばかり押し付けてくる姿に、愛情を感じるでしょうか。

付き合ってから連絡が減る人のなかには、手に入れたことで「満足」してその後の関係を育てることには関心がない人もいます。

それは相手の役目であり、「自分と付き合っていたいならそっちががんばってね」と思っている状態です。

「恋人関係になったのだから、LINEや電話は用事があるときだけでいいよね」と一方的な了解で相手の気持ちはいっさい確認しない人もいて、そもそも好かれるために無理をしていたから「もうしたくない」と思っている可能性もあります。

付き合うまでにどんな心の状態だったか、ふたりのつながりにリラックスしていなかった人は、交際が始まると「やっと素でいられる」とそれまでと違う自分の在り方を前に出してきます。

自分は特に話したいと思わないから連絡をしないし、相手からメッセージが来ても返事は自分のペースが優先で遅くなっても悪いと思わない、相手の気持ちや状況を想像することがなく「ありのままの自分」を受け入れることだけを望みます。

「ただの放置」の特徴は、「次もそっけない」「相手の都合でしか連絡がない」など、自分と愛情のある関わりを求めてこない点にあります。

本音を打ち明け合う機会を持てるかどうかが大事

実際に、「恋人にもう好かれていないと思う」と嘆く人がいてその恋人に真意を確認すると、「以前と変わらず好きだし付き合っていきたいけれど、関係に安心して自分から連絡するのを怠っていた」というケースはあります。

「返事はきちんと送るけれど、自分から積極的に好意を伝えていくのが恥ずかしくなった」と話す人は男女関係なくいて、関係の変化に心が落ち着いておらず好きなのにその自分をきちんと見せられない、という場合もあるのですね。

それでも、交際はふたりがいて叶うものであり、関係を続けるのはお互いの愛情があるからこそ、それを「一緒に」育てる意思がないと続きません。

「彼女なら(彼氏なら)わかってよ、察してよ」と何も伝えずに自分の事情を押し付けるのは甘えであって、関係にあぐらをかくような姿は悪い依存を生みます。

付き合う前は見えてこなかった交際についての価値観の違いがわかるようになって、「連絡の頻度についての考え方」で衝突して終わるケースもあります。

こんなすれ違いを防ぐには、本音を口にできる関係であることが大切です。

これでいいだろう、と思うだけではなく「自分はこう考えている」と相手にしっかりと伝える姿勢があると、相手の気持ちもまた聞いて「ふたりにとって」いいやり方を思いつきます。

交際に至ってからの自分の変化を相手がどう受け止めているかは、言われない限り気がつくことは難しく、ネガティブな指摘を受けたときは「相手はなぜそう感じたのか」を聞いて自分の気持ちを知ってもらうことが、嫌な衝突を避けられます。

愛情があるのならなおさら、自分だけの了解で在り方を置くのではなく、その自分を知ってもらう努力が、相手にとっては信頼の証です。

「放置されているかも」と思う側は、相手はその自分についてどう思っているのかを一度は確認することで、今後の付き合い方を考えられるはず。

「こちらとの『次』を当たり前に考えているから連絡が減っている」のか、「こちらの気持ちは無視して自分の在り方を押し通している」のかがわかれば、交際を続けていけるかどうか判断できます。

関係の本当の安定は、互いに「相手の本音を受け止めている自分」に安らぐことで生まれると筆者は考えます。

ふたりのつながりを維持し育てていくのは、相手の役目ではなく「一緒に」やっていくこと、それを叶える一歩が本音を伝え合う姿勢です。

「好きだから連絡しない」は、相手の気持ちに不安があればまず理解できません。

その不安はお互いの本音や本心を掴んでいないからで、どんな在り方がいいのかは話し合わない限りわかりません。

ただの放置かどうかを正しく判断するためにも、連絡が減っているときは相手と向き合う勇気を忘れたくないですね。

(mimot.(ミモット)/ 弘田 香)

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