9日に開催された第103回天皇杯決勝は、川崎フロンターレがPK戦の末に柏レイソルを下し、3年ぶり2度目の優勝を飾った。
試合はスコアレスのまま120分間で決着がつかず、PK戦も10人目までもつれ込む激闘に。最後はお互いのGKが蹴り合い、川崎GKチョン・ソンリョンが柏GK松本健太のキックを止めて決着した。
そんな激闘において、勝負を分けたかもしれない場面の一つが69分にあった。
マテウス・サヴィオの裏へのボールに日本代表FW細谷真大が抜け出し、大南拓磨に後ろから手をかけられながらも振り切って疾走。しかしドリブルのタッチが大きくなり、チョン・ソンリョンにキャッチされてしまったシーンだ。
細谷が倒れていれば、DOGSOで大南は退場になっていた可能性が高い。細谷は試合後このシーンを以下のように振り返った。
「倒れたらDOGSOだったと思いますけど、ぐっとこらえたら(GKと)1対1になれる状態だったので、自分自身も倒れる気は全くなかったです。別に悔いはないですね」
「決められると思って耐えました。ただプロに入って、しっかり“判断”しないといけない場面は必ず来ると思うので…。自分自身も今後に向けて、今日出た課題に向き合っていきたいと思います」
悔いはないと振り返りつつ、プロとしての判断もあったことは滲ませた細谷。
しかしあそこで力強くゴールへ向かったピュアな気持ちは、22歳のストライカーにとって間違いなく財産となるはずだ。
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日本代表に招集されている来年1月1日、同じ国立競技場で行われるタイとの親善試合でのプレーに注目したい。