旧大口病院事件控訴審 争点は量刑と更生可能性 15日、東京高裁で初公判

東京地裁・高裁(資料写真)

 横浜市の旧大口病院(現横浜はじめ病院)で2016年、入院患者3人が点滴に消毒液を入れられ中毒死した事件で、殺人罪などに問われ、一審横浜地裁の裁判員裁判で無期懲役の判決を受けた元看護師久保木愛弓被告(36)の控訴審初公判が15日、東京高裁で開かれる。

 21年11月の一審判決は、被告の完全責任能力を認めた上で「更生の可能性が認められる」として検察側の死刑求刑を退けた。検察側と弁護側の双方が控訴していた。

 控訴審での争点は量刑で、原判決を維持した無期懲役か、検察側が求刑するとみられる死刑のいずれかとなる見通し。特に、犯行時の責任能力をどう判断するか、その上で更生の可能性をどう考慮するかが判決を左右するとみられる。精神鑑定の内容や結果が重要視されそうだ。

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