【MLB】 大谷が加入 ドジャースってどんなチーム? 人気・戦力・伝統のすべてを兼ね備えたMLBの看板チーム

写真:ベッツとフリーマン

現地9日、大谷翔平が10年7億ドルの史上最高額契約でロサンゼルス・ドジャースに加入したことが、複数の米メディアと大谷本人のインスタグラムから明らかになった。

大谷が加入するドジャースとはどんなチームなのか?ひとことで言えば、ドジャースは人気・戦力の両面において、メジャーリーグの頂点に君臨するチームだ。

ドジャースの球団としての発祥は1884年にまでさかのぼる。当初はニューヨークのブルックリンに本居を構え、1958年にロサンゼルスへ移転。ブルックリン時代はワールドシリーズに進出してもなかなか優勝しきれないでいたものの、移転後は6回の世界一を達成している。ナショナル・リーグの優勝24回とプレーオフ進出35回はリーグトップであり、正真正銘の伝統的強豪といえる。

また、人気も桁違いだ。2023シーズンの観客動員数およそ383万人はダントツでメジャートップ。さらに資産価値でもヤンキースの次に付け、『フォーブス』の「最も価値があるスポーツチームランキング」では48億ドル(およそ6953億円)で25位に入った。

そして、戦力面でもドジャースは群を抜いている。特にNBAの元スターであるマジック・ジョンソン氏を含む現在のオーナーグループになった2012年以来、その強さはより安定し、強固なものになった。2013年からの11シーズンで毎年プレーオフに進出しているのはもちろんのこと、地区優勝は10回、リーグ優勝は3回。そして2020年には世界一に輝いた。

現在のチームには、ムーキー・ベッツ(右翼・二塁)とフレディー・フリーマン(一塁)という2人のMVP経験者がいる。今季のMVP投票でも2位と3位に入ったこのデュオは現時点でも球界トップクラスであり、ここに大谷が加われば間違いなく球界最高の、いや史上最高のトリオとなる可能性がある。

このコンビの脇を固めたのは、ドジャースの"資金力"以外のもうひとつの武器である"育成力"で磨き上げた選手たち。ドジャースはデータ分析部門も強固で、平凡な選手やを一流選手にすることに秀でている。マックス・マンシー(三塁)やクリス・テイラー(ユーティリティ)はまさにその典型だ。野手だけではなく、ブルペンも選手を改造できる能力のおかげで、一流選手を補強しなくてもトップクラスの水準を維持している。

育成力は球界屈指のファーム組織の構築にも寄与している。毎年高い勝率を維持し、勝率が低い順に指名順位が割り当てられるドラフトでは不利なはずのドジャースだが、多くの有望株を抱える。今季開幕前のファーム組織の充実度ランキング(『MLB.com』)ではメジャー2位に位置した。

大谷の加入によって、もともと世界一有力候補だったドジャースのオッズはさらに低くなった。大谷にとっては自身初のプレーオフ出場はもはや手中にあると言え、焦点は世界一となれるか否かにあると言える。大谷との10年の契約期間で、大谷とドジャースは何を成し遂げられるだろうか。

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