新たなビジネスチャンスへ 東京ビッグサイトに全国の中小企業集結

江東区の東京ビッグサイトで、「中小企業」をテーマとした国内最大級の展示会が3日間にわたって開催されました。会場には、独自の技術や珍しい商材を持つ企業が、コロナの影響からの回復、そしてさらなる発展を目指し、集結しました。

日本企業の99.7%を占めるという中小企業。そのうちの約7割を組織する団体が開催したこの展示会には、「電子部品」や「サービス」「食品」「医療」といったさまざまな分野の企業、約560社が全国から集まりました。

記者:「こちらは顔認識機能がついたマネキンです。目についたカメラで様々な情報を読み取ります」

新宿区の企業が開発したこの製品は、カメラに映し出されている人物の年齢や性別、表情などをAIが判別し情報収集するものです。店舗マーケティングに活かす狙いで、「どの商品がどんな客層に人気か」などを判断できるということです。

展示の中には新たなコミュニケーションの形も…。

記者:「こちらのぬいぐるみはオンラインでつながっていて、双方向でコミュニケーションをとることができます」

加えた力や触った感触がインターネットを介して伝わる仕組みとなっていて、離れた場所で暮らす大切な人とのコミュニケーションツールとして活用してもらいたいと、港区の企業が開発しました。

中小企業のきらりと光る匠の技によって、実現された製品の数々。しかし出展企業からは切実な思いも聞かれました。

武蔵野市 IT業:「(Q:コロナ禍の影響はいかがでしたか?)もちろん多くの事業者さま、苦しい時期を過ごされたと思います。当然我々もその影響はありました。ただ、いまコロナが明けつつあるという状況に向けて、できることをやっていこうという思いで頑張ってきたというところです」

墨田区 製造業:「コロナの後辺りから大分、いろいろなものがかなり影響としては受けていますね。新しいお客様を探していかなきゃいけないのかなというなかで、いろいろ見ていただいて、新しい仕事につなげていければと考えています」

日本全体の99%を占めるという中小企業。コロナで大きな影響を受けましたが、今も円安や物価高、そして人材確保などの課題が山積しています。

こちらは全国の約2600の中小企業に聞いた景況調査の結果です。景気が好転したとする割合から、悪化したとする割合を差し引いた値をグラフ化しました。新型コロナの流行によって、大きく落ち込んでいる、つまり「景気が悪化した」という結果が見て取れます。

そしてそこから右肩上がりとなってはいるものの、物価高騰などの影響もあり、「景況」と「収益状況」は現在も大きくマイナスの値となっていて、「景気は悪化している」と答える中小企業が多い形となっています。

主催者は展示会を通して、新たなビジネスチャンス、ビジネスマッチングが広がることを期待していて、日本を支える中小企業が更なる発展を遂げ、円安や物価高など厳しい状況を乗り越えてほしいと話していました。

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