過去にSGを7勝!前づけの鬼・西島義則のレースでの凄みとは!?『究極のボートレースガイドブック』

これを覚えたら一人前!知っておきたい予想ファクター

スタート展示、周回展示、コース別成績、チルト……。ボートレースならではのこうした予想ファクターを押さえれば、これであなたもボートレース通。「チルトの魔術師」「前づけの鬼」「絶対王者」と称される名選手を覚えておけば、的中はもう目前!

前づけの鬼・西島義則

ボートレースはインが強い! これは今までも散々書いてきましたね。進入時にこのインコースを取りにくる動きのことを「前づけ」といいます。この前づけのメリットはコースを動いて1つでも有利な内側に入れること。ただ、デメリットもあります。それは進入が深くなるということ。いくらインコースに入っても助走距離がないとセンターから勢いづけられたボートにまくりで攻められて厳しいレースになるわけです。ただ、常にこの前づけを果敢に行うレーサーもいます。

ここで紹介したい代表的な「前づけレーサー」は広島支部所属のベテラン選手・西島義則選手です。過去にSGを7勝もしている凄い選手です。西島選手はとにかく外コースのときは必ず内側に入ってきます。なんなら2コースからでもインコースを狙いに行く代表的な前づけレーサーです。とにかく初めて見る方は「こんな前まで!?」と呟いてしまうでしょう。「そんなに前づけをしてスタートが大丈夫なのか?」と気になる方もおられると思います。しかし、そこは心配ありません!

もちろんモーターの仕上がりが上手くいっていないときは遅れることもあります。それでも、6日間のトータルでみるとしっかりスタートも合わせてきます。西島選手と同じレースに出る他のレーサーは嫌だと思いますよ。西島選手が外枠にいて自分が1号艇だとしましょう。西島選手相手に1コースを守るためにはいつもより早くスタート方向にボートを向けないといけないため、スタートの助走距離が短くなってしまいます。具体的には120m~130mくらいの助走距離を取れるのが一般的ですが、100mくらいになってしまいます。

逆に西島選手にとってスタート距離100m近辺はお手の物。そのエリアは庭みたいなものですから(笑)。ここで、これぞ「前づけの鬼」というレースをご紹介しましょう!2023年6月21日のボートレース宮島、マスターズリーグの優勝戦。地元の西島選手は3号艇で優勝戦進出。期初めにフライングをきってしまいスタートはなかなか踏み込めない状況。

しかし、地元の優勝戦ということで3コースからスタート位置が深くなるのは覚悟のうえで前づけの1コース取り。助走距離が短くなることは関係ない! それが前づけの鬼・西島選手。一人だけ100m近辺のスタート位置。こうなると2コースや3コースの選手もスタートを決めてまくりたい。対する西島選手はとにかくスタートを決めて先に回って逃げるのみ。結果、西島選手は.07のトップスタートを決めてイン逃げ決着!3連単3–2–1で3,290円。

前づけにはリスクもありますが、西島選手のようなレーサーを覚えると、どんどんレースを見るのが面白くなる!前づけする選手が出るレースはもちろんイン逃げからも狙えますが、逆にインが深くなって厳しいと予想すればセンター勢のまくりを狙う手もあるのです!

【出典】『究極のボートレースガイドブック』著:西野精治

【書誌情報】
『究極のボートレースガイドブック』
著:西野精治

近年、コロナ禍の影響もあり公営ギャンブル市場は毎年のように売り上げを伸ばしています。スマートフォンの普及で手軽に参加できることもあり、今やバブル期の売り上げを上回る状況となっています。この公営競技の中でも最もファンや売り上げを伸ばしているのがボートレース(競艇)。公営ギャンブルと言えば中央競馬(JRA)を思い浮かべる人が多いはずです。たしかに昔から競馬ファンは多く、馬券の売り上げが全公営競技の中でダントツに大きかったのですが昨今は状況が変わりつつあります。ボートレースの人気は急上昇、舟券の売り上げは2兆4142億円(2022年度)と約3兆円の中央競馬に肩を並べるまでになっていて、新規のボートレースファンが増加していることを示しています。とはいえ、初心者にはどうやってボートレースを予想していいのかが分からないのも事実。最初は誕生日とか好きな番号、好きな色、カッコいい選手などの理由で舟券を買うのもありですが、ずっとそのレベルではボートレースを本当に楽しめているとは言えないでしょう。本書はその域を脱して「選手の実力」「有利なコース」「レース展開」「モーターやボートの性能の見極め」などを知ることによって、「自分でレースの予想、推理」ができるようになることを伝授する1冊です。著者の永島知洋氏は「ボートレース楽しむプロ」としてほぼ毎日のようにテレビ番組やYouTubeのレース配信番組でボートレースの面白さ、楽しみ方を身をもって示している人です。小難しいことは抜きに「興味はあるけど専門知識ゼロの人が、とりあえず舟券を予想できてレースを楽しめるようになる」をコンセプトに書き下ろした1冊です。

© 株式会社日本文芸社