大人数は楽しいね! 5類移行後、初めての忘年会 でも「早めの集合・解散」「2次会なし」 その理由は

 忘年会シーズン真っただ中。今年は新型コロナウイルスが感染症法上の5類に移行して初めての忘年会シーズンとなり、大人数の忘年会が復活している。一方で、「早めの集合・解散」「2次会はなし」など、コロナ前とは違った傾向が見られる。関係者は、様変わりの背景に、夜間のタクシー不足の影響があると話す。(社会部・榧場勇太)

 那覇市前島の居酒屋「海のちんぼらぁ」では5日夜、個室で16人が参加する忘年会が開かれていた。4年ぶりに開催する高校の同窓生が集まる忘年会だといい、ビールやワインを片手に、盛り上がっていた。

 幹事の赤嶺英仁さん(67)は「昨年は5~6人しか集まらなかったが、今年はコロナ前の規模に戻った。年に1度の集まりだからやっぱり楽しいね」と笑顔。今年は4年ぶりの開催ということもあり、コロナ前より千円高いコースを注文したという。

 同店では今年、原材料費の高騰などを受けて約1割値上げしたが予約は好調で、昨年の約2倍の件数の予約があり、団体用の席はほぼ満席になっているという。店長の伊佐勇二さんは「昨年は週末が予約で埋まったが、今年は週の前半から多くの予約をいただいている」と話す。

 「店に活気が戻ってきてうれしいが、コロナ禍に採用したスタッフは店の忙しさに慣れていない。お客さまを待たせたりしないよう、できるだけ良いサービスを提供できるよう努力したい」と笑顔を見せた。

 県飲食業生活衛生同業組合の鈴木洋一理事長によると、加盟店の多くで予約が好調で「コロナ前と比べて客単価も約千円ほど上がり、飲み放題で5千円のコースが人気。値上げにも理解いただいているのではないか」と語る。

 コロナ後の変化について「午後7時からのスタートが主流だったが、6時や5時半からの予約も増えている」と指摘する。

 鈴木さんは、要因として夜間のタクシー不足を挙げる。「繁華街では、午後10時ごろの帰宅時間帯にタクシーがつかまらない。バスやモノレールに余裕を持って乗って帰りたいので2次会には行かないという声も聞く。早めのスタートでおいしい食事を食べたいというニーズが増えているのではないか」と分析した。

忘年会で、気心知れた仲間と飲食を楽しむ人たち=5日、那覇市前島・海のちんぼらぁ(小宮健撮影)

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