「人の目線で見られないアングル」に没入体験 与那原大綱曳を360度3DシアターでVR 沖縄の与那原資料館が2024年4月導入へ

 沖縄県与那原町の与那原大綱曳資料館は来年4月、与那原大綱曳を3D映像と仮想現実(VR)で体感する「360度3DVRシアター」を導入する。円筒型のシアターは内壁全周がスクリーンで、14人掛けのベンチシートで3Dメガネをかけて鑑賞する。大綱曳の映像コンテンツを活用し、次世代への文化継承や観光集客を図る。

 シアター本体は直径5.3メートル、高さ2.9メートル。スクリーンは全周14.4メートル、高さ2メートル。スピーカー6台やオーディオアンプ2台、ウーファー(低音専用のスピーカー)1台を設ける。

 4K映像は、今年の大綱曳の行事から本番までをまとめた約25分。3D・VRは旗頭のガーエーやカナチ棒が入る瞬間、大綱の上に立つ「支度」の目線で見る道ジュネーなど10場面(各5分)を投影し、大綱曳の空間にいるかのような没入感を演出する。

 同資料館の上原丈二主事は「人の目線では見られないアングルで、年齢制限なく与那原大綱曳を体感できる。映像コンテンツで大綱曳をさらに発信していきたい」と話す。

 導入は同町伝統文化発信事業の一環。町議会が4日、備品購入事業請負契約を可決した。導入するのは福岡市のピー・ビーシステムズのシアターで、県内では具志川火力発電所電気科学館に次いで2カ所目。(南部報道部・榮門琴音)

与那原大綱曳資料館が導入する「360度3DVRシアター」の内部イメージ図(ピー・ビーシステムズ提供)

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