年越しそば、需要支える横浜港 ソバの実輸入が35年連続首位

横浜港(資料写真)

 年越しそばが欠かせない年末が近づき、ソバの実の輸入がピークを迎えている。その需要を支えるのが、全国シェアで数量、金額ともに35年連続首位の横浜港だ。統計をひもとくと、輸入の主流が収穫されたままの殻付きから、脱皮後の加工品に移り変わるトレンドもみえてくる。

 横浜税関によると、2022年の国内輸入量は6万8123トン。このうち横浜港が5割を超える3万7945トンを占めた。輸入額も全体の92億7100万円のうち、52億8700万円と最多。数量、金額ともに統計が残る1988年から不動の首位だ。

 定温で保管できる倉庫や物流拠点が近港に集積し、東日本にある製粉メーカーに輸送しやすいという地の利が働いている。ソバはアレルギー物質を含み、保管に習熟した物流業者が供給を支えている。

 新型コロナウイルス禍の2020年はサプライチェーン(供給網)の混乱で輸入量が前年に比べて3割ほど落ち込んだが、翌21年にV字回復した。輸入額は大口輸出国である中国の生産量の減少や、最大の産地であるロシアのウクライナ侵攻が影響し、ここ数年で2倍ほどに急騰している。

 輸入のピークは、新そばと年越しそばの需要が重なる11月から12月にかけた冬場。冷たいそばが好まれる初夏を控えた春は行楽シーズンでもあり、次いで多いという。

 横浜税関は「コンビニや外食産業で一定の需要があり、インバウンド(訪日客)にも人気」とみる。今後の輸入量について「好調が続く」と見込んでいる。

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