コンビニに担当警察官 茨城県内初 ニセ電話や強盗抑止 県警取手署と地区防犯協

担当するコンビニ店にカードや名刺を手渡す取手署守谷地区交番の森脇広輔警部補(左)=守谷市百合ケ丘

コンビニ店と警察の連携を強化して犯罪被害を防止しようと、茨城県の取手地区防犯協会と県警取手警察署は、県内初となる「コンビニサポートポリス」を発足させた。同県の取手、守谷両市と利根町にあるコンビニ店ごとに担当警察官を指定して店舗と連携を図り、ニセ電話詐欺や万引、強盗などコンビニ店を巡る各種犯罪の抑止を目指す。

コンビニサポートポリスは、各店舗の担当に指定された警察官が店舗従業員などと顔が見える関係を構築し、気軽に情報伝達や相談などができるようにする仕組み。同地区内にはコンビニ店が65店あり、各店に同署地域課の警察官を指定する。

コンビニ店では万引や強盗など店舗の直接的な被害に加え、架空料金請求詐欺事件の被害者が電子マネーカードを購入することも多いとされる。こうした被害防止に向け、同協会などは店舗と警察とのより緊密な連携が必要と判断した。

守谷市役所で11月29日に開かれた発足式で、同協会会長の松丸修久市長は「安全安心なまちづくりの一助になってほしい」と期待をこ込めた。久保田和規署長も「交流を強めることで犯罪抑止につなげたい」と意欲を見せた。

同署守谷地区交番の担当地区にある「セブン-イレブン守谷百合ケ丘店」では、サポートポリスに指定された同交番所長の森脇広輔警部補が「受け持ち交番は守谷地区交番です」と書いたシートと名刺を店舗オーナーの杉山尊宣さんに手渡し、活動をスタートさせた。電子マネーカード販売時の声かけ訓練も実施され、店舗スタッフが注意を呼びかけるメッセージを添えた封筒を渡しながら、購入者に「一つでも当てはまれば詐欺です」と注意を呼びかけた。

杉山さんは「サポートポリスと連携を図り、ニセ電話詐欺などに対する従業員の意識向上をこれまで以上に図っていきたい」と話した。

県警によると、10月末現在のニセ電話詐欺の認知件数は194件に上っており、被害総額は4億1538万円。このうち架空料金請求詐欺は102件、被害額は1億5805万円となっている。

取手署では全ての手口を合わせて28件計3259万円の被害があり、県内27署でワースト。架空料金請求詐欺は11件、被害額672万円だった。

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