「エルニーニョ現象」が起こるとどうなる? 2023-24、暖冬だけど大雪の可能性も…福井県の降雪記録

エルニーニョ現象下の福井県福井市の合計降雪量

 Q 今冬はエルニーニョ現象などの影響で暖冬になりそうだと聞いたよ。エルニーニョ現象って何?

 A 南米ペルー沖の海面水温が上がる現象で、世界的な異常気象の原因の一つとされている。気象庁が11月に発表した「監視速報」によると、今春に発生し、来春まで続く可能性が高い(80%)そうだよ。

 Q なぜ暖冬になるの?

 A エルニーニョ現象が発生していると、偏西風が日本付近で平年より北に蛇行し、寒気が南下しづらく、冬型の気圧配置が長続きしない傾向があるんだ。新潟地方気象台が9月に発表した北陸地方の12月から来年2月の天候見通しでは気温は高く、降雪量は少ない見込みとなっているよ。

 Q エルニーニョ現象で福井県内の天候にはどんな影響があるの?

 A 気象庁は福井県を東日本に区分している。1947~48年シーズンから2020~21年シーズンまでの冬で、エルニーニョ現象発生時の平均気温をみると、東日本では平年より低かったのが約2割で、高かったのが約4割。1991年以降でエルニーニョ現象が発生している中で迎えた冬は計7シーズンあり、そのうち5シーズンで、福井市の冬の平均気温が平年値(4.3度)を上回っているよ。

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 Q 雪は本当に少ないの?

 A そうとも限らないんだ。福井市の冬の合計降雪量は平年値が172センチに対し、直近でエルニーニョ現象下だった18~19年シーズンは42センチと大きく下回ったけれど、09~10年シーズンは208センチ、14~15年は229センチと多かったんだ。特に14年12月は1カ月間の合計降雪量が大野市223センチ、南越前町今庄181センチ、福井市85センチを記録したよ。

 Q 今冬も一時的な大雪には注意が必要だね。

 A 福井地方気象台の担当者も「エルニーニョ現象は影響が大きいが、気象はそれだけで決まるわけではない。一時的にでも強い寒気が流れ込めば大雪になる可能性もあるため、雪への備えは万全にしてほしい」と話しているよ。

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