平和願い「お土産」 デザイン振興協 7本セット割り箸と袋 G7水戸に合わせ

間伐材を使ったお土産をデザインした、茨城デザイン振興協議会のメンバーら=水戸市泉町

茨城県水戸市で開かれたG7水戸内務・安全担当相会合に合わせ、茨城デザイン振興協議会(船橋範行会長)は「G7水戸のお土産を勝手に作っちゃおうProj.(プロジェクト)」に取り組んでいる。同県常陸大宮市の間伐材で割り箸を作り、各国をイメージした箸袋をデザインした。7本1セットで袋詰めされた割り箸に、関係者らは「平和への橋渡し」と願いを込める。

同会は県内のクリエーターが集まり、デザインの力で地域課題を解決しようと、1993年に設立された。2023年度の活動テーマは「交流」だ。

G7を通して日本の伝統文化を広めるだけでなく、県内の地場産業にも目を向けるきっかけにしてほしいと、同会県西県北グループのメンバーが割り箸作りを企画した。グループリーダーを務めた矢吹由香里さん(45)は「自分の地元が直面している問題に対して、デザインでお手伝いができればうれしい」と動機を話す。

着目したのは廃棄される間伐材。後継者不足など諸問題を抱える林業の応援が狙いだ。常陸大宮市森林組合などから無償提供された杉の丸太3本から、木目や色を生かした香り高い約800膳を削り出した。

箸袋は着物をモチーフに折り紙で作成。会員が一つ一つ手折りした。国花や国旗を取り入れ、麻の葉文様をアレンジしてカエデの葉を模したり、市松模様を星条旗の星に見立てたりして、日本の伝統と各国のイメージを融合させたデザインに仕上げた。

割り箸は15日まで、水戸市泉町の文化デザイナー学院で展示・販売されている。午前10時から午後5時(最終日は同3時まで)。土日休館。

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