山川あやめ園拡張整備 茨城・結城市 姉妹都市が寄贈のアヤメ生かす

山川不動尊あやめ園の完成イメージ(結城市提供)

茨城県結城市は、姉妹都市の山形県長井市から寄贈されたアヤメを生かしつつ、同市山川新宿の「山川不動尊あやめ園」の拡張整備を進めている。子どもたちの自然学習の場としてビオトープやため池などを造り、2026年4月ごろの開園を目指す。

結城市と長井市は姉妹都市提携から今年で40年。結城市都市計画課の担当者は「拡張整備と姉妹都市の節目の時期が偶然にも重なった。今後さらに連携を深めていくためにも、長井市のアヤメを生かしていきたい」と話す。

長井市には110年を超えるアヤメ公園がある。見頃の時期には数百種類が咲き誇り、市を象徴する花として親しまれている。1997年に結城市にアヤメが寄贈された。

結城市では、住民らでつくる「山川不動尊あやめ園管理組合」が丹精込めて育てた。見頃を迎える6月には「山川不動尊あやめ祭り」が開かれている。長井市から購入した株も含め、2018年には約200株が咲き誇った。その後は天候不順や新型コロナウイルスの影響で開かれていない。

今回は生育環境を整えながら、自然を生かした公園として本格的に整備しようと、2カ年の工事を計画。10月から工事が始まり、25年1月末までに敷地面積を約1500平方メートルから約2万3500平方メートルに拡大する予定だ。整備費用は2億768万円。この間球根は掘り上げ、開園まで休眠させるという。

担当者は「アヤメの時期だけでなく、四季それぞれの植生を観察できるような1年を通じて楽しめる場所にしたい」と話した。

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