宮古島の雑木林で見つけたカニ 日本国内で初記録だった ベンケイガニ科の一種「カバアシアシハラガニモドキ」

 沖縄県宮古島市内で8月、日本で初記録となるカニが見つかった。スリランカから台湾に分布するベンケイガニ科の一種で、宮古テレビコンテンツ事業部長の砂川栄喜さんが発見し、生物調査の「かんきょう社」(浦添市)の前之園唯史代表が特定した。「カバアシアシハラガニモドキ」と命名し、両者が今月1日付で論文を公表した。

 発見場所は、海水と淡水が混じる水域に面する雑木林。2匹の雌で、サイズはともに 甲長約29ミリ、甲幅約36ミリほど。はさみの脚が白く、甲羅や歩脚は紫がかった茶褐色。

 4日に宮古テレビで記者会見した砂川さんは「温暖化で甲殻類の生息域が北上している例の一つかもしれない」と話している。

 宮古島では目撃情報しかなかった「ヒメアシハラガニモドキ」と「シロテアシハラガニモドキ」も確認され、宮古島に生息するベンケイガニ科は計26種になった。(宮古支局・當山学)

国内初確認のカバアシアシハラガニモドキ=8月、宮古島市内(宮古テレビ・砂川栄喜さん撮影)

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