エルニーニョ現象 冬の間も続く可能性高い

エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率

 気象庁は11日(月)、エルニーニョ監視速報を発表した。今年の春からエルニーニョ現象が続いているが、今後、冬の間はエルニーニョ現象が続く可能性が高く(90%)、春の間は続く可能性と平常の状態になる可能性が同程度(50%)と予測している。

エルニーニョ/ラニーニャ現象の経過と予測

 11月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+2.3℃で、先月からの大きな変化はなく基準値より高い値だった。太平洋赤道域の海洋と大気の状態は、成熟したエルニーニョ現象時の特徴を示している。

エルニーニョ・ラニーニャ現象に伴う太平洋熱帯域の大気と海洋の変動 出典=気象庁HP

 大気海洋結合モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が冬の前半までピークを維持し、後半からは西部の冷水の東進に伴い次第に下降し、春の間に基準値に近い値に遷移する可能性があると予測している。以上のことから、今後、冬の間はエルニーニョ現象が続く可能性が高く(90%)、春の間は続く可能性と平常の状態になる可能性が同程度(50%)と予測している。

エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。

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