MVP受賞直後のオフにFA移籍した選手 ボンズと大谷の2人だけ

今季エンゼルスで投打にわたる活躍を見せ、史上初となる2度目の満票MVPに輝いた大谷翔平。シーズン終了後にFAとなると、移籍市場の最大の目玉となり、日本時間12月10日にはドジャースと10年7億ドルの超大型契約を結ぶことで合意したことが明らかになった。MLB公式サイトのサラ・ラングス記者によると、MVP受賞直後のオフシーズンに移籍した選手は大谷が4人目。ただし、うち2人はトレードで移籍しており、FA移籍に限ると、大谷のほかにはバリー・ボンズしかいないという。

ボンズは1985年ドラフト1巡目(全体6位)指名でパイレーツに入団し、翌1986年には早くもデビューして113試合に出場した。1990年に打率.301、33本塁打、114打点、52盗塁、OPS.970の活躍を見せて自身初のMVPに輝くと、パイレーツはこの年から3年連続地区優勝。ボンズは1991年もMVP投票2位、1992年には2度目のMVPを受賞し、最高の形でFAとなった。

ボンズは当時の史上最高額である6年4375万ドルでジャイアンツと契約。ここから15シーズンにもおよぶジャイアンツの「ボンズ時代」がスタートし、ボンズは移籍1年目の1993年に打率.336、46本塁打、123打点、29盗塁、OPS1.136という素晴らしい成績を残して本塁打・打点の二冠に輝いただけでなく、2年連続3度目のMVPを受賞し、前年72勝だったジャイアンツは惜しくも地区優勝には届かなかったものの、103勝と大きくジャンプアップした。

結局、ボンズは2007年シーズンを最後に43歳で引退するまでに、通算762本塁打を放ってハンク・アーロンのメジャー記録を更新。2001年から4年連続受賞するなど、MVPは史上最多の7度を数えた。ステロイド問題もあって殿堂入りを果たせていないボンズだが、1992年オフにジャイアンツがボンズを獲得したFA補強は大成功だったと言って差し支えないだろう。

MVP受賞直後の選手が移籍するのはボンズに続いて2人目ということもあり、「ドジャース・大谷」にかかる期待は非常に大きい。ドジャースは11年連続でポストシーズンに進みながらもワールドシリーズ制覇は1度だけ(2020年)という状況であり、大谷にはレギュラーシーズンでの活躍はもちろんのこと、ポストシーズンでチームを勝利に導く働きが期待されることになる。ボンズはチャンピオンリングを獲得できないままキャリアを終えたが、ボンズの二の舞だけは避けたいところだ。

なお、MVP受賞直後のオフシーズンに移籍した選手は、ほかに2003年のアレックス・ロドリゲスと2017年のジャンカルロ・スタントンがいる(いずれもトレード移籍)。また、MVP受賞直後のオフシーズンにFAとなった選手は、ほかに1989年のロビン・ヨーント、2007年のロドリゲス、2022年のアーロン・ジャッジがいるが、いずれも元のチームと再契約を結んでいる。

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