<レスリング>ロシアとベラルーシ両国は中立選手(AIN)としてオリンピック参加へ…IOCが容認

国際オリンピック委員会(IOC)は12月8日、来年のパリ・オリンピックにロシアとベラルーシ両国の選手を個人の中立選手(AIN)として参加を容認することを発表した。同日のオンライン臨時理事会で決定し、ホームページで発表した。

ロシア、ベラルーシの国歌や国旗の使用を禁じ、積極的に侵攻を支持する選手、軍や治安当局の所属選手も対象外とし、団体競技での出場は認めないなど厳格な条件がある。政府関係者をオリンピックに招待しないことも決めた。

世界陸上競技連盟は、今年3月にIOCから「中立」選手としての復帰を促されても両国除外の立場を変えておらず、今回のIOCの決定でも姿勢は崩さないことをいち早く表明した。世界レスリング連盟(UWW)は、この決定を受け入れるかどうかの決定は報じていないが、8日のホームページでIOCの決定を掲載した。

全競技におけるパリ・オリンピックの出場資格を得た選手は、現時点で世界各国・地域の約4600選手。そのうち、ロシアは8選手、ベラルーシは3選手のみ。最終的に、全競技を通じてAINの出場は「ごく限られた数」になる見通し。

レスリングでは、ロシアが男子フリースタイル57kg級のザウール・ウグエフ、65kg級のシャミル・マメドフ、74kg級のザウルベク・シダコフ、125kg級のアブドゥラ・クルバノフの4選手、ベラルーシが男子グレコローマン97kg級のアブベーカー・ハスラハノフと女子53kg級のバネサ・カラジンスカヤの2選手の計6選手が出場枠を獲得している。

共同通信によると、ウクライナのビドニー青年スポーツ相代行はフェイスブックで声明を発表し「無責任な決定を強く非難する」と述べた。同国のパリ・オリンピック参加については、ウクライナのスポーツ界や政治指導者と協議した上で決定するという。

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