藩ゆかりの名品で一服 加賀・梅鉢茶会 寺町・本因寺

藩ゆかりの名品でもてなした濃茶席=10日、金沢市寺町5丁目の法華宗本因寺

 加賀の茶の湯に触れる北國新聞創刊130年記念「加賀・梅鉢茶会」(北國新聞社主催)は10日、金沢市寺町5丁目の法華宗本因寺(ほんにんじ)で開かれ、愛好者が藩ゆかりの名品で一服した。濃茶席は表千家の吉倉休祥菴(きゅうしょうあん)が務め、石川県茶道協会常任幹事の吉倉宗世さんが歴代家元ゆかりの名品でもてなした。

 前田家の家紋・梅にちなんだ道具が茶席を彩った。本席の軸に書かれた「一盃」の文字に、前田家当主交代の祝杯、10月に亡くなった文化勲章受章者の大樋陶冶斎さんへの献杯の思いを託して呈茶した。

 薄茶席は遠州流の平木白蓮庵(びゃくれんあん)が担当した。参加者は、前田家の繁栄をことほぐ錦絵や唐物を取り入れた文人趣味の席を堪能し、同協会常任幹事の平木宗孝さん(金沢学院大特任教授)の解説に和やかに聴き入った。点心席は、つば甚が担当した。

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