黒船と津山藩の関わりにスポット ペリー来航170年記念し企画展

ペリー来航170年を記念して開かれている企画展

 日本開国の契機となった米国提督ペリー(1794~1858年)による53年の黒船来航から今年170年を迎えたのを記念し、来航と津山藩の関わりにスポットを当てた企画展が、津山洋学資料館(津山市西新町)で開かれている。

 同館によると、津山藩は浦賀(神奈川県)への来航を知って洋学者箕作秋坪(しゅうへい)を情報収集のために派遣。日米和親条約が締結された54年の来航時にも、再び箕作を洋学者宇田川興斎、絵師鍬形(くわがた)赤子(せきし)と共に現地に向かわせた。藩には幕府から沿岸防衛の命令も出されたという。

 会場には、当時の様子を伝える所蔵品など18点を展示。鍬形も制作に加わったとされ、ペリーが率いた艦隊や隊列を描いた巻物▽藩が高輪(東京)沿岸部の防衛に当たった際の「松平越後守」と書かれた配置図▽箕作の報告を基に作成された異国船のスケッチ―などが並び、驚天動地の黒船来航が、藩にとっても大事件だったことがうかがえる。

 秋坪らが当時、横浜近辺のうなぎ屋に寝泊まりしながら、山に登って来航の様子を観察したといったエピソードも紹介している。

 長女と訪れた女性会社員(54)=庄原市=は「艦船の模写が細かく、当時の人たちは見慣れない黒船にどれほど驚いたのかと想像しながら見た」と話していた。

 来年2月18日までの午前9時~午後5時(入館は同4時半まで)。一般300円、65歳以上・高校生・大学生200円。休館は月曜日と祝日の翌日。

© 株式会社山陽新聞社