エイズ禍告発の医師死去 中国、米亡命の高耀潔さん

 【北京共同】中国で当局が隠蔽していた売血や輸血によるエイズ禍を告発した女性医師、高耀潔(こう・ようけつ)さんが10日、亡命先の米ニューヨークの自宅で死去した。95歳だった。死因は明らかになっていない。香港メディアなどが友人の話として伝えた。

 1927年中国山東省生まれ。50年代に婦人科の医師となった。90年代半ばごろから河南省の農村の医療巡回に従事し、当局が隠蔽していた売血や輸血によるエイズ禍を告発。「アジアのノーベル賞」といわれるマグサイサイ賞など多くの賞を受賞した。

 当局の監視下に長く置かれ、2009年に米国の人権団体などの協力を得て米国へ事実上亡命。米国で執筆活動を続けた。

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