青森、秋田両県にまたがる白神山地は11日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産登録から30周年を迎えた。同日、弘前市や西目屋村、鯵ケ沢町など白神山地の周辺自治体やJRの職員らが、JR五能線と奥羽線を走る人気列車「リゾートしらかみ」の各停車駅で乗客らに手を振り節目をアピールした。
白神山地は両県境に広がる約13万ヘクタールの山域で、約1割に当たる中心部約1万7千ヘクタールが「世界遺産地域」。ユネスコは東アジア最大の原生的なブナ林を中心とする特徴的な生態系に「顕著で普遍的な価値」を認め、白神山地は1993年12月11日、屋久島(鹿児島県)とともに国内初の世界自然遺産に登録された。
記念日のアピール活動は秋田県山本地域振興局が発案し、弘前市やJRなどに参加を呼びかけた。車窓からの日本海や白神山地の眺望で人気を誇るリゾートしらかみの両県の停車駅で、関係者が小旗を振ったり、横断幕を掲げたりした。
弘前駅では市職員やJR職員ら約20人が手を振った。弘前市国際広域観光課の夏井五月主査は「白神山地は見どころがたくさんある。これからもより多くの観光客に来ていただいて、関心を持ってもらえれば」と話した。