“裏金問題” 塩谷立安倍派座長「精査中」繰り返し 宮沢博行防衛副大臣も「確認中」 謝罪も明言避ける=静岡

自民党・安倍派の政治資金パーティーをめぐる問題が静岡県内にも波及してきています。裏金が作られていたのでは?と、疑惑が浮上している問題に関し、安倍派に所属する2人の国会議員が「政治不信を招いた」などと12月10日謝罪しました。

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<自民党安倍派 塩谷立座長>
「国民の皆さんに大変な政治不信を招いたこと、心からお詫びを申し上げる次第でございます」

安倍派の事実上のトップ「座長」を務める塩谷議員。自らにかけられた疑惑について10日、浜松市中区の塩谷立事務所で説明の場を設けましたが…。

<自民党安倍派 塩谷立座長>
「今現在、精査中ですね。今、それぞれの捜査が進んでいる中で、まだ具体的なことを申し上げる段階ではないと思っています」

他の議員と同じような事実上のゼロ回答に終始、派閥の座長にとどまる姿勢を強調しました。

自民党の最大派閥安倍派をめぐる裏金疑惑。カギを握っているのはパーティー券の「キックバック」です。

キックバックの仕組みを説明します。安倍派の政治資金パーティーでは、所属する議員がパーティー券を売りさばく仕組みで、ノルマが課せられているそうです。

例えば、ノルマが1000万円のA議員が1200万円のパーティー券を売った場合、いったん派閥に売り上げを預けた後にノルマを超えた200万円が議員側に返されます。

これがキックバックで、今回、問題になっているのは、このお金が収支報告書に記載されず、「裏金」として扱われていたのではないかという疑いです。

同じ安倍派に所属する宮沢防衛副大臣は今回の疑惑について、塩谷座長同様に「事実確認中」と明言を避けつつ、ノルマへの苦しさを漏らしました。

<自民党安倍派 宮沢博行衆院議員>
「そもそも、きついノルマでしたので、そのノルマを達成することに非常に苦労していた。だからといって『(キックバックは)全くございません』と言って、仮に1枚2枚でも超えた年があれば、それはよろしいことではない。ですので、しっかりと遡って事実関係の確認を事務所内で行っている」

野党側の立憲民主党・泉健太代表は12月9日、静岡市内で安倍派の議員らに対し「説明責任を果たすべき」だと訴えました。

<立憲民主党 泉健太代表>
「完全にアウト。違法なことをやっているのは明確なんだから、自主的に身を引きなさい。自ら真実を語りなさい。こうやって自ら辞任するのを待っているわけですよ」

この問題をめぐっては松野官房長官の更迭が取りざたされているほか、安倍派の閣僚の交代すら、ささやかれています。

<法政大学大学院 白鳥浩教授>
「日本の政治に構造的に非常にお金が掛かるというのがある。その政治について使う政治資金であったり、あるいは、こういったお金をほかの要素に使う、自由になるお金を手にするために、こうしたいわゆる裏金作りと呼ばれるような行為が常習的に行われていたと見てもいい」

政界に大きなうねりを起こすキックバック裏金疑惑。日本の政治の体質が厳しく問われる問題です。

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