恐竜化石、胃に獲物 ティラノサウルス科で初 筑波大と北大

腹腔内に捕食したシチペスの骨格が残るゴルゴサウルスの幼体化石(カナダ・ロイヤル・ティレル古生物博物館所蔵、筑波大提供)

筑波大と北海道大は11日、肉食恐竜「ゴルゴサウルス」の幼体の全身骨格化石から、食べた獲物が胃に残った状態で見つかったと発表した。胃の内容物が残るティラノサウルス科の化石が確認されるのは世界初という。未解明だった幼体の食性を示す直接的な証拠で、成長するにつれて食性が変化するとの仮説を裏付ける発見だとしている。

筑波大などによると、化石はカナダ・アルバータ州南部の白亜紀後期(約7530万年前)の地層から発見された。体長約4メートル、5~7歳と推定される。

胃の中に、小型恐竜2体分の脚などが入っていた。消化具合が異なるため、別々のタイミングで捕食されたと考えられるという。

ゴルゴサウルスの成体は体長9メートル超に達し、植物食恐竜を捕食していたと考えられている。今回、幼体は捕食時のリスクが比較的低い小型恐竜を捕食していたことが判明した。

筑波大生命環境系の田中康平助教(古脊椎動物学)は「食べていた物が分かった貴重な発見。他地域でも調査を進め、生態系の解明につなげたい」と話した。

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