先日行われた高円宮杯U-18サッカープレミアリーグ2023ファイナルを制覇した青森山田高校。決勝戦ではサンフレッチェ広島を相手に2-1で勝利を収めた。
しかし、その中で後半45分に決まった青森山田の同点弾は大きな話題になった。左サイドからロングスローが入れられると、それがゴールの中に吸い込まれていったのだ。
本来スローインは直接ゴールインしても得点は認められないが、審判はGKが触っていたといてオウンゴールを認定。これで追いついた青森山田がアディショナルタイムで追加点を決め、逆転勝利している。
常に議論の的となるロングスローというプレー。特に2種の年代では大きな武器になり、毎年高校サッカー選手権で猛威を振るう。
今回はそのようなプレーを得意としていた「世界のロングスローワー」を5人ピックアップした。
ロリー・デラップ
ロングスローワーの代表的な選手としてピックアップされることが多いロリー・デラップ。サウサンプトンやストーク・シティでプレーした選手で、若い頃はやり投げで学生王者になったという肩の強さを生かして鋭いボールを投げた。
その飛距離はおよそ30~40メートルで、スピードも時速60キロメートルに達したという。山なりではなく弾丸のように飛んでいくボールは数多くのアシストを記録した。
ハル・シティは彼のロングスローを警戒してタッチラインではなくゴールラインにクリアするという回避策を示し、バーンリーやウェストハムは広告板をギリギリまで近づけて助走させないようにしていた。
アリレザ・ビランヴァンド
ゴールキーパーとしてのロングスローで記録を持っているのがイラン代表のアリレザ・ビランヴァンド。
ワールドカップ予選の韓国戦で見せたスローイングは、サッカーにおける最長のスローイングであるとしてギネス世界記録に掲載されることになった。その距離はなんと61.26メートル。
自陣ペナルティエリアから敵陣深くまで届いてしまうロングスローはイラン代表の大きな武器になっていた。
トーマス・グロンネマルク
かつてデンマークでサッカー選手としてプレーしたトーマス・グロンネマルクは、現在スローインの専門家として数々のクラブで指導している人物。ミッテュラン、ホーセンス、ブレントフォード、そしてリヴァプールでその技術を教えてきた。
そしてフィールドプレーヤーとしての最長ロングスロー記録を保持していた経験もあり、2010年6月8日にフリップスロー(前転してから投げるフォーム)で51.33メートルを飛ばした。
ナデル・モハンマディ
アリレザ・ビランヴァンドも含め、ロングスローがとても一般的に使われている国の一つであるイラン。サイドバックはこれを使えなければもはや試合に出られないのではないかと思えるほど、その使い手は数多い。
その中でも距離が出る一方でコントロールが難しいフリップスローの使い手はほとんどいないが、その中で近年のスペシャリストなのがナデル・モハンマディだ。ゾブ・アハンに所属している26歳のディフェンダーは、ハーフウェイラインから軽々とペナルティエリアまで投げられる。
マイケル・ルイス
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現在フィールドプレーヤーとしてのスローイン最長記録を保持しているアメリカ人選手。前述のトーマス・グロンネマルクの弟子でもある彼は、2019年4月に59.817メートルをフリップスローで投げた。
飛距離だけではなくその助走スピードやエネルギーロスのないフォーム、さらに見事なコントロールを備えている。