来年4月29、30日に砺波市で行われる県指定無形民俗文化財「出町子供歌舞伎曳山(ひきやま)祭」に出演する子供役者の衣装とかつら合わせが10日、同市の西町公民館で行われた。来年の当番町である西町と、初めて公募に応じた子供役者の計6人が本番に向けて気持ちを高ぶらせた。
岐阜県地歌舞伎保存振興協議会長で、美濃歌舞伎博物館相生座の責任者の小栗幸江さんらが子供に衣装を着せたり、かつらをかぶせたりして体形や頭の大きさに合うサイズを調整した。
●初の公募で4人加わる
西町は少子化の進展で初めて出町小を通じて子供役者を公募し、10月末に西町の1人と町外の3人が応募し、西町の最初の2人と合わせて子供役者6人が集まった。西町曳山振興会の小竹正記会長は「素晴らしい子供役者がそろった。みんなが主役。頑張っていきたい」とあいさつした。
公募に応じて今年の当番町の中町に続いて2年連続で出演する出町小4年の山下真央さんは「歌舞伎が大好き。また出られるので頑張りたい」、初めて出演する妹の真奈さん(同3年)は「姉妹で出られるのがうれしい」とそれぞれ意欲を語った。
出町子供歌舞伎は出町神明宮の春季祭礼で、東、中町、西町の3町が輪番で担当し、西町は2020年と21年がコロナ禍で中止となり、17年以来の当番となる。おはこの「奥州安達ケ原三段目」を上演し、平安時代に東北で勢力を築き、都に滅ぼされた安部一族の再興を誓う安部貞任・宗任兄弟の姿を描く。
子供役者には来年1月に台本が配られ、同2月に市川団四郎師匠との顔合わせを行う予定。子供役者の皆さんと配役は次の通り。
▽山下真央(出町小4)安部貞任▽山下真奈(同3)袖萩▽源通彩矢(同3)平傔仗・八幡太郎義家▽庄田悠眞(同2)安部宗任▽坂井瑛美(同2)浜夕▽近藤あかり(同1)お君