輝の水揚げまだ2匹 カニ漁解禁1カ月

300万円の値が付いた今シーズン第1号の「輝」=11月9日、金沢港の県漁協かなざわ総合市場

  ●出漁減で最少ペース

  ●輝姫も半減24匹 

 石川県産ズワイガニの漁解禁から1カ月で、加能ガニの最高規格「輝(かがやき)」の水揚げが2匹となっていることが11日、分かった。過去3年間で最も少ないペースとなる。昨年デビューしたコウバコガニの最高規格「輝姫(かがやきひめ)」も24匹と1年前の53匹から半減しており、いずれも希少な冬の幸となっている。

 輝の漁解禁後1カ月間の認定数は、初年度の2021年が7匹、22年が6匹だった。今季はしけで出漁できない日が多く、水揚げの落ち込みが認定数の減少に直結した。

  ●厳格基準を堅持

 輝、輝姫はいずれも一定以上の重量と甲羅幅が求められ、傷の有無など厳しい条件がある。認定数が伸びない中、漁業者や販売業者からは「基準を緩和してほしい」との声が出ているが、いしかわ四季のさかなPR推進協議会の橋本勝寿会長は「最高級ブランドとして、あえて厳格に審査している」として現行の基準を堅持する方針を示した。

 県水産総合センター(能登町)が1日発表した漁海況情報によると、11月6~22日の県内主要港の漁獲量は加能ガニが32.9トンで、前年同期比42.2%減と大幅に少ない。一方、コウバコガニは89.9トンの同6.5%減にとどまっている。

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