政治資金パー券問題、告発対象に高木毅氏ら安倍派の歴代事務総長を追加…刑事告発した大学教授に単独取材

高木毅氏

 自民党派閥の政治団体による政治資金パーティーを巡る問題を刑事告発した神戸学院大学法学部の上脇博之教授は12月11日、福井新聞の電話取材に応じ、8日に高木毅党国対委員長(衆院福井2区)ら歴代の安倍派(清和政策研究会)事務総長を告発対象に加えたことを明らかにした上で「政治資金を取り仕切っていた事務総長として、しっかり説明責任を果たすべきだ」と指摘した。

 上脇教授は昨年11月、自民党5派閥の政治団体がパーティー券収入を収支報告書に過少記載したとする政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)容疑で、各団体の会計責任者らを刑事告発。安倍派ではパーティー券の販売ノルマ超過分が所属議員側に還流し、裏金化していた疑いが浮上した。

 上脇教授は取材に「裏金に関する告発ではないが、不記載はどう考えても裏金をつくるためだろうという疑念は当初から抱いていた。告発状の最後には裏金に関してもしっかり捜査してほしいと書いた。そういう意味では予想が的中した」と語る。

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 告発対象はこれまで派閥の会長、会計責任者、事務担当者だったが、事務総長が政治資金を取り仕切る立場であることを報道で知り、高木氏ら歴代の安倍派事務総長を追加した。高木氏については、ノルマ超過分のキックバック(還流)を受けていた疑惑もあることから「刑事責任は別としても、主権者である国民に説明を果たす責任がある」と強調した。

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 東京地検特捜部による今後の捜査については「事務方は政治家から不記載を強制された面もあるのではないか。そうした意味で責任を問われるべきは政治家であり、事務方だけ起訴して終わりでは国民の怒りは収まらないだろう」と述べた。

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