冬の主役たち(3) ホッケー女子 3年生4人の力を集結し、集大成に臨む 【大分県】

年末年始に開催される冬の高校スポーツ全国大会。県代表として出場する高校から、注目が集まる選手をピックアップした。

ホッケーの全国高校選抜大会に5年連続5回目の出場となる玖珠美山。今年は単独チームで出場した鹿児島国体で準優勝し、日本一が手に届く距離にいる。チームの中心となるのが3年生4人。性格が異なればプレースタイルも違う。「四者四様」だが高校最後の大会に向けて、それぞれが思いを語った。

U-18女子ユース日本代表として9月の日韓交流試合に出場した松村瑞羽は、チーム事情で本来のFWからDFに変わったが、「後ろから攻め上がることで空いた空間を使える。シュートチャンスはFWに比べると少ないが、必ず仕留めたい」と得点にこだわる。最終学年になってからキャプテンとなり、親から贈られたリーダーシップを学べる本を熟読した。チーム内のゆるい雰囲気を引き締めるために、あえて上下関係を厳しくし、オンとオフを明確に線引きした。「個々の技術があってもチームがひとつにならないと勝てない。誰よりも走って、勝負にこだわりたい」とチームを引っ張る覚悟を示した。

3年生がチームの屋台骨を支える

松村と同じく県が推進するチーム大分ジュニアアスリート発掘事業でホッケーを始めた穴井香湖は身体能力が高く、指示が的確。楠明日香とともに中盤に配置され、攻守の要となる。穴井がバランスを保ちながら相手の攻撃の芽を摘み、楠はパスを散らし積極的に攻撃参加する役割を担う。粘り強い守備を持ち味とする山口花楓はチームスタイルの堅守を体現する選手。全国では攻撃的なチームが多く、どれだけ失点を抑えることができるかがポイントとなる。山口は「1-0、2-1で勝てるような試合をしたい」と最少失点にこだわる。

4人は卒業後も競技を続けるが、一緒にプレーするのはこれが最後となる。楠が「普段は思ったことを言い合うが、試合になればまとまる。それが私たちの強さだと思う」と言えば、穴井は「入学した時から全国で勝つことを目標としてきた。3年間の集大成として悔いが残らないようにすべてを出し切りたい。その先に勝利がある」とうなずいた。四者四様の力を集結して、目標のベスト8以上を狙う。

全国選抜が集大成の場となる

(柚野真也)

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