大接戦制した西行茂氏、勝因や今後の市政運営を語る 福井市長に初当選、副市長人事やアリーナ構想は

初当選から一夜明け、会見で抱負を述べる西行茂氏=12月11日、福井県福井市経田1丁目の事務所

 福井県福井市長選挙で初当選を果たした前副市長の西行茂氏(69)は12月11日、市内の事務所で記者会見し、新幹線時代を迎える今後4年間の重要なかじ取りに意欲を示した。「選挙戦を通じて、市民の方の意見は非常に大切だと痛感した。現場の声に耳を傾け、市政を前に進めていきたい」と力強く語った。

▽福井市長選挙開票結果 44,218票 西行  茂氏 69歳 無新 41,895票 鈴木 宏治氏 50歳 無新

 ――当選から一夜明けての心境は。

 「新しい朝を迎え、身の引き締まる思いとはこういうことかと実感している。『やるぞ』というエネルギーが湧いてきている」

 ――差が2千票余りの大接戦となった。勝因は。

 「愚直に自分の考えを訴え、理解してくれた人が、相手候補への支持よりも少し上回ったということだと認識している」

 ――今後の市政運営で自身のカラーをどう打ち出すか。

 「がらりと変わることは難しいと思うが、訴えに基づく施策の推進や機構改革を通じて、自分自身の色を出していきたい。市民の方の意見に耳を傾け、職員としっかり議論していく。そのためにも情報発信は重要。市政の取り組みをリアルタイムで発信していくプロジェクトリーダーを比較的若い職員から登用したい」

 ――副市長人事の考えは。

 「私の考えを理解し、批判もしてくれる人が望ましい。人数も含め今は全くの白紙。なるべく早く決めたい」

 ――多くの市議の応援を受け、議会との距離感を懸念する声もある。

 「選挙は選挙。義理人情ではなく、市長と議会として、是々非々でしっかり議論していきたい」

 ――目前には北陸新幹線県内開業が控える。まず取り組むことは。

 「開業後に開かれる『ふくい桜マラソン』は福井のPRにつながる大きなチャンス。ふくい桜まつりとの相乗効果でより多くの人を呼び込む。(市東公園を建設候補地とする)アリーナ構想や市街地再開発もしっかり支援していく」

 ――新幹線時代のリーダーとしての決意は。

 「福井へたくさんの人が来てもらえるよう努力し、福井は楽しい、安心、元気と思ってもらえるまちにしていく。訴えてきたビジョンをしっかり実現し、信頼につなげたい」

 ◇西行茂氏(さいぎょう・しげる) 金沢大学法文学部卒。1978年に福井市職員となり、総務部長や企業管理者を歴任。2016年に副市長に就任し23年9月まで務めた。69歳。福井市飯塚町。

© 株式会社福井新聞社