G7茨城水戸会合 中学生「安全宣言」 SNSや交通、防災 英語で発表 「世界と思い共有」

松村国家公安委員長に宣言書を手渡す菊池心春さん(左)と中島由莉夏さん=10日、水戸市民会館

G7内務・安全担当相会合最終日の10日、茨城県水戸市の市立中16校の代表生徒が、会合会場の水戸市民会館を訪れ、安全をテーマにした宣言を英語で発表、松村祥史国家公安委員長に宣言書を手渡した。会合の共同声明に関わる内容で、生徒たちが「世界中が私たちと同じ思いを抱くと信じる」と読み上げると、閣僚からは大きな拍手が湧き起こり、退出時には生徒とハイタッチする場面が見られた。

中学生たちの宣言は「情報活用の利便性と危険性を認識し、情報モラルを身に付ける」など交流サイト(SNS)や交通安全、防災について自ら気を付けることを記した6項目。

生徒たちは今夏から、安全に関わる問題を話し合い、11月に同館で開かれた「Mito16 中学生安全サミット」で、SNSや交通事故防止、災害、医療など幅広い分野の課題や提言を発表していた。県や市が調整し、中学生から各国代表へ伝える機会が実現した。

生徒たちはこの日、閣僚らより早く会場に入り、「グッドモーニング」とお出迎え。松村委員長らと談笑後、高橋靖水戸市長の紹介に続いて宣言を発表した。

冒頭に発言した国田義務教育学校8年の市村大翔(たいと)さん(14)は「日々の生活で起こり得る危険を考えた」と宣言に至る経緯を説明。見川中2年の小橋川実(みのり)さん(14)はSNSの利便性と危険性について触れ、「正しい使い方を学び、問題は相談する。大人にもフィルタリングや管理、相談体制の確立を願う」と訴えた。

宣言が終わると、閣僚らは大きな拍手で生徒をたたえた。生徒を代表し、水戸五中2年の菊池心春さん(14)と石川中2年の中島由莉夏さん(14)が、松村委員長に宣言書を手渡した。

小橋川さんは「閣僚たちに英語で話すのは緊張したが、学ぶことも多かった。この経験を生かしたい」と話した。

松村委員長は会合終了後の会見で「中学生たちにとっても生涯忘れ得ぬ体験になったのではないか。会合ではわれわれも一致して努力しようと伝えた」と振り返った。

G7の閣僚らとハイタッチする中学生

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