【MLB】大谷がFA市場から去った今、注目の的は山本由伸に 「今後2週間以内に契約を結ぶ」 

写真:FA市場で注目を集める山本由伸 ©︎Getty Images

日本時間12月12日、大谷翔平がドジャースと契約を結んだことが明らかとなり、2日が経過した。そんな中、メジャーリーグ公式HP『MLB.com』では、マーク・フェインサンド記者が「大谷がFA市場からいなくなった今、山本由伸に注目が集まっている」と伝えている。

フェインサンド記者は、山本が沢村賞(日本のサイ・ヤング賞にあたる賞)を3年連続で受賞し、過去3シーズンはリーグの最優秀選手賞を受賞していることに触れ、「日本からMLBにやってくる選手として、ここ数年で最も期待されている選手の一人である」と称賛している。

◾️山本の獲得を狙う球団とは
山本はすでにヤンキース、メッツ、ジャイアンツの少なくとも3球団と会談しており、今週末にもさらに多くの球団と会談する見込みだという。

メッツのオーナーと球団社長がウインターミーティング前に山本に会うために来日していることからも、メッツの本気度がわかる。

ジャイアンツとは先週の日曜日に会談したと報じられている。アーロン・ジャッジとカルロス・コレアとの契約が昨冬に破談となったことで、ジャイアンツが山本獲得のために大金を用意する可能性があるという。

ヤンキースとはジャイアンツの後に3球団目として会談したと報じられている。ジャイアンツは山本の獲得を狙うものの、関係者の中では「ニューヨークの2球団による入札合戦になる」との見方が強いとフェインサンド記者は伝えている。

大谷と契約するために多額の資金を用意していたブルージェイズは、ローテーションでケビン・ゴーズマンと印象的な2枚看板を形成するであろう山本に軸足を移す可能性は十分にあるという。しかしながら、大谷とフアン・ソトが選択肢から外れた今、ブルージェイズが投手に焦点を当てるよりも、強打者を加えるためにコディ・ベリンジャーを追い求める可能性もあるだろう。

カブスとレッドソックスも獲得に乗り出すと見られているが、「ニューヨークの2球団には太刀打ちできないだろう」とフェインサンド記者は分析している。

大谷と10年総額7億ドルの契約で合意したドジャースは、この争奪戦のワイルドカードであるという。大谷が2024年シーズンに登板できないことを考えると。ドジャースはローテーションの強化が必須だ。また、大谷と後払いの契約を結んだことで、ドジャースはまだ資金に余裕があると伝えている。

◾️山本はゲリット・コールを超える史上最高の契約を結べるのだろうか
しかしフェインサンド記者によると、その可能性は非常に低いという。当初の予想では、山本は投手として今オフ最大の2億ドル以上の契約を結ぶと見られていた。この数字はここ数週間で上昇し、現在は8年間で少なくとも2億5000万ドルの契約を結ぶと見られている。

コールは2019年オフにヤンキースと9年総額3億2400万ドルの(年平均3600万ドル)の契約を結んでいる。山本の契約は年平均でコールを上回ることはないとされているが、総額3億ドルの可能性が十分高いと言われている。

山本はまだ25歳という若く長期契約を結ぶ可能性も高いが、その場合はオプトアウト条項が含まれていると予想される。3、4年後にオプトアウトした時には、コールを超える契約を結ぶ可能性はあるだろう。

◾️MLB未挑戦ながら契約規模は“サイ・ヤング賞投手以上”に?
ブレイク・スネルは今シーズン、自身2度目のサイ・ヤング賞を受賞し、FAとなった。しかしながら、今オフの投手の目玉は山本だと言われている。

スネルは先週31歳となった。サイ・ヤング賞を受賞した2シーズンは十分な投球回を投げ、チームに貢献しているが、それ以外のシーズンでは物足りない。一方、山本は3年連続で安定した成績を残している。また、スネルは9イニング平均で4.66個の四球を出すが、山本は9イニング平均で2四球を下回る。

スネルは一定の契約を得ると思われるが、以上の理由で山本を下回る契約になるだろう。いずれにしろ、「スネルは山本の契約を待ってから動き出す」とフェインサンド記者は伝えている。

『ジ・アスレチック』の関係者は、「山本は今後2週間以内に契約を結ぶ」と伝えており、最終段階に向かっていることがわかる。ポスティングの契約期限までは残り1カ月弱。山本が選ぶチームはどこになるだろうか。

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