今年で“年賀状じまい”をしたい人は必読!「最後の年賀状」の理想の文面を手紙専門家が伝授

あるアンケート調査では、出している人の半数以上がもう出すのをやめたいと思っているという年賀状。

「年賀状じまいという言葉をはじめて耳にしたのは5、6年前と記憶しています。おそらく、年配者にとってもスマホが当たり前になり、多くの人がLINEなどSNSを利用するようになった頃と同時期。お互い、簡単に近況などを知ることもできるため、そろそろ年賀状を卒業したいなと思う人が増えてきているのだと思います」

こう語るのは、手紙文化振興協会代表のむらかみかずこさん。

「年賀状は元日の朝に届いて、個性豊かな年賀状を見ることで、楽しいお正月ムードを高めてくれます。ただ一方で、年末の慌ただしい中、何枚もの年賀状を書くことはストレスですし“やめようかな?”と考えてしまう気持ちも理解できます」

しかし“年賀状を一方的に辞めると、失礼な感情を抱かされるのではないか”と思ってしまい、なかなか踏み切れない。

「まず、大事なのは、感謝の気持ちを表すこと、そして“年賀状は最後にしますが、あなたとの関わりを断ち切るわけではない”という意思表示をすること。携帯電話の番号やLINEのQRコードを印刷したり、これからは電話で連絡を入れさせてもらいますと一言添えてもいいでしょう。

さらに注意したいのは、その理由です。子供が独立した、親の介護で忙しい、体力的にもつらい、介護施設に入所する……、年賀状じまいを思い立つきっかけはいくつもありますが、その理由を具体的に書くことは、こちらの都合を押し付けるようで得策ではありません。文面はシンプルに“思うところがあって”という表現が無難でしょう」

では、どのような文面がベストなのか。むらかみさんに例文を考えてもらった。

《明けましておめでとうございます。旧年中はお世話になりました。

本年もよろしくお願いいたします。
これまでのおつきあいに感謝しております。
この度、思うところがあって、年賀状に関してはこれで最後にいたします。これからも変わらず、メールやSNSなどで連絡させてもらいます。

良い一年になりますように》

「新年のご挨拶部分は印刷でも《これまで~》以降は手書きにしたり、すべて印刷する場合は、《ゴルフが楽しかったですよね》《また、お食事に行きましょう》と、相手との印象に残る出来事や、今後の楽しい時間が想像できるような一言を添えると、特別感が高まります」

12月15日から年賀状の受付が開始され、25日くらいまでに投函すると元日までの発送が可能だというが、遅れる場合は寒中見舞いで年賀状じまいする方法もある。数年かけて徐々にやめたり、いったんやめた年賀状を復活する人もいるという。今後の人付き合いを見直すきっかけにしよう。

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