もともとは書道に不利な左利き それでもたどり着いた最高賞 「誰もが驚く飛躍へ思い込め」首里高校3年・内間琉さん 全日本学生書道展高校の部で

全国の幼・小中高生が書の腕を競う「第73回全日本学生書道展」(日本書道教育学会主催)高校の部で、首里高校3年の内間琉さん=与那原町=が最高賞の文部科学大臣賞に輝いた。

 内間さんが書いた漢字は「驚」。部首の馬をあえて小さくして余白を生かし、濃淡やかすれで躍動感を表現した。幼稚園の頃に書道を始め、集大成として取り組んだという。「高校最後の年に誰もが驚くような飛躍をしたいという思いを込めて筆を執った。狙っていた最高賞が取れてうれしい」と喜びを語った。

 向陽高校2年の棚原美南海さん=南城市=は、高校の部で4位に当たる「読売新聞社賞」に輝いた。「憼」の字を出品。「上位入賞はうれしいけど、昨年選ばれた賞より1個下の賞で悔しい思いもある。来年は受験生だが、文部科学大臣賞を取りたい」と話した。

 2人を指導する南城市の書道教室「游藝書道會」の玉城賢二さんは「琉さんはもともと左利きで書道では有利ではないが、真面目にこつこつ続けてきていい結果につながった」とたたえた。「美南海さんは集中して取り組んでいて、センスもある。来年も応募してほしい」とエールを送った。

 全国から2763点、高校の部は495点の応募があった。(社会部・榧場勇太、當銘悠)

 

内間琉さん
最高賞に輝いた内間琉さん書「驚」(日本書道教育学会提供)
棚原美南海さん

© 株式会社沖縄タイムス社