「宮城屋蒲鉾店」かまぼこ製造に幕 秋田県内唯一の専門店、大雨被害で再開断念

 秋田県内唯一のかまぼこ専門店「宮城屋蒲鉾(かまぼこ)店」(秋田市大町)が、かまぼこの製造・販売事業から撤退した。7月の記録的大雨により同市楢山大元町にある製造工場が甚大な被害を受けたため。市民からは老舗の味を惜しむ声が寄せられている。4代目の後藤雅和さん(47)は「長年ご愛顧いただいたお客さまに申し訳ない。食事処の営業は続けていくので、これからも足を運んでほしい」と話している。

 宮城屋蒲鉾店は、雅和さんの曽祖父・故徳兵衛さんが同市大町の横町商店街近くで1927(昭和2)年に創業した。店名は、徳兵衛さんが宮城県の出身であることに由来する。88年に、現在の場所へ移転し、店の奥に食事処を設けた。

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