岡山上場企業の認知度向上へ連携 ウエスコHD まずはPR動画制作

岡山県内の上場4社のトップによる座談会の収録風景

 東証スタンダード上場の総合建設コンサルタント・ウエスコホールディングス(HD、岡山市北区島田本町)は、岡山県内の上場企業と連携し、企業の認知度アップや人材確保に取り組む。第1弾として異業種の4社が採用活動に向けたPR動画の制作を進めている。

 上場のメリットが近年薄れているとして企画した。東証を巡っては昨年4月の市場再編で、上場基準が厳しくなったり、株価純資産倍率(PBR)が1倍を割り込めば改善を求められたりと負担が増している。一方、知名度や信用力の向上は年々得られにくくなっており、上場の意義を問い直す企業は多いという。連携により、徹底した経営の透明性やガバナンス(企業統治)体制といったメリットを改めて発信し、人手不足をはじめとする共通課題の解決につなげる。

 第1弾には、食品スーパーのハローズ(本部・早島町)▽総合建設業の大本組(本店・同市)▽医療資器材卸などのオルバヘルスケアHD(同市)―の3社が賛同した。いずれも東証の最上位市場「プライム」または中位の「スタンダード」に上場している。

 動画は2本あり、トップ同士の座談会と若手社員へのインタビューを収録。座談会(30分)は、社長4人が一堂に会し、自社の強みやSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みなどを紹介して意見を交わす内容。インタビュー(40分)では、入社3、4年目の各社社員に入社の決め手や仕事のやりがいなどを尋ねている。

 いずれも18日に動画投稿サイト・ユーチューブのチャンネル「おかやま上場企業フォーラム」などで公開予定。座談会の模様は16日午後1時半から、KSB瀬戸内海放送で先行放送される。

 採用活動での連携について、オルバヘルスケアHDは「当社に関心を向けていなかった就活生にも話を聞いてもらえ、チャンスが広がる」とし、大本組は「就活生だけでなく投資家の注目も集めることができれば」と期待を寄せる。ハローズは「これまで接点のなかった企業と縁ができ、この先も何らかの形で相乗効果を生み出したい」とする。

 ウエスコHDは今後、投資家向けの企業説明会などでも連携を目指す方針で、県内の上場約20社の中から賛同企業を募って取り組む。同社は「岡山の企業として地元に人材や投資を呼び込み、地域活性化に貢献する連携を模索したい」としている。

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