今年の漢字は「税」 “賃金や物価の構造が変わった年”と専門家 インボイス制度など税のニュースが多数

テレビ愛知

1年の世相を漢字一字で表す「今年の漢字」は「税」でした。主催した日本漢字能力検定協会は理由として、1年を通じて増税議論が活発に行われたほか、定額減税やインボイス制度といった「税」にまつわるニュースが多くなったことなどを挙げました。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング 塚田裕昭さん

経済に詳しい専門家2人に、2023年の経済を表す漢字1字を聞くとともに今年1年を振り返ってもらいました。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング 塚田裕昭さん:
「経済再稼働といいますか、コロナも明けたので『再』という字ですかね」

一方、2023年2月に衝撃的なニュースが飛び込んできました。

三菱重工業 泉澤清次社長:
「開発中止の判断に至りましたこと、大変残念であります。機体を納入できずに、出来なかったことに申し訳なく思っています」

スペースジェット開発中止に「残念」

スペースジェット開発中止

国産ジェット旅客機「スペースジェット」の開発中止です。日本の新たな基幹産業誕生に、国や県、そして町工場も大きな期待を寄せていました。街の人も「残念」と話します。

街の人:
「僕らも期待していたんだけど、結局開発中止になったというのは、何か弱かったということですよね」

「日本で初めてジェット機が出来上がって、日本経済がまた復活するのろしを上げたと思いましたが、残念な話です」

さらに3月には国産のH3ロケット初号機の打ち上げ失敗など、日本のモノづくりの将来性が問われた1年でもありました。

30年ぶりの賃上げ

みずほリサーチ&テクノロジーズ 酒井才介さん

2023年の岸田総理が力を入れたのが「賃上げ」です。

岸田文雄 総理:
「賃上げの大きなうねりを持続的なものとし、地方や中堅・中小企業にまで広げていかなければなりません」

厚生労働省がまとめたデータによりますと、2023年の春闘では主要な企業の賃上げ率は3.60%で、1994年以来の3%台に。経済政策や財政を分析する専門家に、今年の漢字一字を聞きました。

みずほリサーチ&テクノロジーズ 酒井才介さん:
「転じるの字。『転』を今年の1文字としてあげたいと思います。まさに30年ぶりの賃上げが起こりました。この2023年というのは、日本経済の賃金、物価の構造が変わった年だったと思います」

相次ぐ賃上げに、今年5月には日経平均株価が3万円台に到達しました。しかし街の人は今の景気について、どのように感じているのでしょうか。

街の人:
「もうちょっと景気良くなるといいけどね」
「庶民の食べ物まで(値段が)上がってきて、生活しづらいなと感じる」

不安な声が多く聞かれました。果たして来年の経済はどうなるのでしょうか。

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