来季から変更!2023年「新しいエンブレムを発表した」5つのJリーグチーム

近年、世界のサッカー界で動きがみられるエンブレムのデザイン変更。

日本でも2023年は5つのJリーグチームがデザイン変更を発表し、新エンブレムがお披露目となった。

ここでは、その5チームの新デザインや変更の背景をご紹介したい。なお、湘南ベルマーレもデザイン変更を検討しているが、現時点で大きな進展はないようだ。

FC東京

FC東京 2023 New Balance 25周年記念 ユニフォーム

FC東京は今年2月、クラブ創立25周年を機にエンブレムデザインのアップデート実施を発表。そして10月28日に発表となった新エンブレムは、スタイリッシュなデザインへと大胆な変貌を遂げた。

新エンブレムのデザインは、右上の11本の斜めストライプが「決して挑戦を止めず高みを目指し続ける選手の姿」。右側の三角形(ワンストライプ)は「サポーター、選手、クラブが一体となり力強く進む姿」。下部の4本線はクラブの土台・文化を作り上げる「最前線、クリエイティビティ、多様性、可能性」をそれぞれ表す。

この3つは多様な文化、多彩な人が交わる東京という街やクラブの多様性を表現したものだ。

チーム名については視認性向上を目的に「F.C.TOKYO」から「.(ドット)」を外している。また、デザインの構成要素にサッカーボールの二十面体を構成する五角形と六角形の角度を採り入れているのも興味深い。

徳島ヴォルティス

徳島ヴォルティス 2023 Mizuno ホーム ユニフォーム

徳島ヴォルティスは今年6月9日、2024年のクラブ設立20周年を機にクラブエンブレムをリニューアル決定を発表。設立記念日である9月10日の試合(いわきFC戦)で新デザインがお披露目となった。2024年1月1日から本格的に使用開始となる。

現在使用しているエンブレムのデザインは、地元徳島市の山「眉山」と四国の象徴「吉野川」をイメージしたもの。その中に 勝利の“V”を落とし込んでいる。少し平たい形状が独特だ。

これが2024シーズンからの新エンブレムでは、雰囲気ががらりと変わる。

ベースのデザインには“V”を採用。力強い渦潮の形としなやかな阿波踊りの腕の動きをデザインし、徳島伝統の藍色で「吉野川の恵み」を、緑色で「眉山や徳島の豊かな自然」を表現。地域の風土という基本的なコンセプトは新エンブレムにも継承している。

藍色、緑色、白色のラインは全部合わせると12本で、フィールドの選手11人とファン・サポーターが一丸となり勝利を目指すという想いを込めたものだ。なお、情熱を意味する赤色は新デザインでは使われない。

ザスパクサツ群馬

ザスパクサツ群馬 2022 Kelme ホーム ユニフォーム

2022年にクラブ創設20周年を迎えたザスパクサツ群馬は、次の20年を見据えてクラブ全体のリブランディングを実施。今年6月に新しいエンブレム、チームロゴマークなどの素案を公開し、クラブに届いた445件の意見をもとに決定した新デザインを8月に発表している。

群馬の象徴である獅子舞のエンブレムは、チーム発祥の地である草津町の伝統芸能「前口の獅子舞」をモチーフとしたもの。その中に草津温泉をイメージするマークをデザインする。

新エンブレムデザインで最大の変更点は獅子舞の消失だが、これはクラブのホームタウン変更による部分も大きいと思われる。ホームタウン表記は2023年までの「前橋市、草津町を中心とする群馬県全域」を、2024年からは「前橋を中心とする全県」に変更。草津色はより薄れることになる。

草津発祥のチームとはいえ活動拠点は以前から前橋だったが(これには諸々の事情が存在する)、前橋で新たなクラブ専用グラウンドとクラブハウスが2024シーズンより使用開始となることから、本格的に前橋中心に群馬全県を背負うチームとして活動していく。

その新シーズンから使用するエンブレムには、温泉マークに上州名物「雷」を合わせたマークを採用。尽きることのない温泉パワーと雷霆(らいてい/激しい雷)のごとく猛攻撃するスピード感を表している。

名古屋グランパス

名古屋グランパス 2023 Mizuno ホーム ユニフォーム

名古屋グランパスは今年1月にエンブレム変更の計画を発表。そして12月10日に新エンブレムがお披露目となった。

今回の変更は、2022年でクラブ30周年を迎え、それを機にこの先の未来も「サポーターが誇りを持てる魅力あるクラブであり続けるために」決断・実行したもの。また、デジタル時代に即したデザインが必要になったという時代的な背景もある。

デザイン作成には新たに発足した「GRAMPUS SOCIO PROJECT」としてサポーターも参加。数度のミーティングを繰り返してクラブとともに作り上げていったという。

現在のエンブレムは1999年に使用を開始したもので、バーバリアンレッドとノーブルレッドのストライプを基調に、クラブの象徴「鯱(しゃち)」とチーム名の略称「NGE(Nagoya Grampus Eight)」を描く。

新エンブレムにもこれらの要素は引き継がれた。バーバリアンレッドはグランパスレッドに名称を変更したが、基本の色は変わらない。中央にはこれまでの「NGE」と「鯱」を組み合せたロゴマークを配する。上昇するような形状は「世界の頂点を目指す」という意思を込めたものだ。

FC琉球

FC琉球 2019 Sfida ホーム ユニフォーム

FC琉球は10月26日に新しいエンブレムデザイン並びにクラブのリブランディングを発表。完全にクラブとしての新基軸を打ち出したものだったが、これがサポーターの反感を買い大騒動に発展する。

当初発表された2024シーズンからの新エンブレムでは、2体のシーサーを簡略化したデザインを採用。かつての琉球王国を表す王冠のデザインも同様にアイコン化され、「沖縄らしさの消失」にサポーターの不満が爆発した。

これに応える形でクラブ側もデザインの一部見直し・再検討を11月9日に発表。リブランディングの検討期間も最大1年間延長し、一度お披露目した丸い形の新エンブレムは一旦お蔵入りとなった。

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その代替案という形で改めて発表となった2024シーズンのエンブレムは、基本的に現行デザインの継続となる。ただし色についてはリブランディングによる新クラブプロパティのカラーを採用し、明るめの赤色に変更となった。

なお、クラブ側では2025シーズンから使用する新エンブレムに向けて、ファン・サポーターなどを交えた形でのリブランディングプロジェクトを再始動するとしている。

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